110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

世界の識者「辺野古ノー」 ストーン監督ら400人声明 沖縄での新基地建設

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興味ある記事、民主主義、地方自治・・・備忘録

世界の識者「辺野古ノー」 ストーン監督ら400人声明 沖縄での新基地建設
1/7(日) 12:50配信 琉球新報
 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、米映画監督オリバー・ストーン氏をはじめとする世界各国の識者ら400人以上が6日、建設に反対し中止を求める声明を連名で発表した。同市大浦湾側での工事設計変更の承認を、日本政府が代執行したことを受け、「米日の事実上の軍事植民地とされている沖縄の、さらなる軍事化を拒否する沖縄の人々への支持」を表明した。
 声明は「沖縄の自己決定権、民主主義、自治権を支持する」者として、「県民の大多数が反対しているにもかかわらず、辺野古埋め立てにこだわり続け、かけがえのない生態系を破壊している」として日米両政府を非難した。代執行について、本紙12月27日付社説が「他県に住む方々は、自らの地域にこのような事態が降りかかることを是認できるだろうか」と指摘したことにも言及。「植民地主義的無関心」と日米の市民に突きつけ、沖縄差別と軍事植民地化に終止符を打つよう呼びかけた。
 声明にはノーベル平和賞を受賞した平和活動家のマイレッド・マグワイア氏、海洋学者キャサリン・ミュージック氏、オーストラリア国立大名誉教授のガバン・マコーマック氏らも賛同している。ストーン氏らは2014年にも新基地反対の声明を発表している。
小波津智也)

 

スペイン・ベルギー両首相、ガザ侵攻非難 イスラエルは大使呼び抗議・・・について

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果たして、パレスチナの一般人を大量に殺戮してきた歴史に対して(今回の紛争でも圧倒的にガザ地区の人々が殺されている事実)、余りにも、虚しい反論ではないかと思う。

あと記事中の「全責任」は、一概にハマスだけにおわせる道義は無いと思うよ。

イスラエルという国はどうなってしまったんだろう?

スペイン・ベルギー両首相、ガザ侵攻非難 イスラエルは大使呼び抗議
11/25(土) 12:10配信 AFP=時事
【AFP=時事】イスラエル外務省は24日、スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相とベルギーのアレクサンダー・デクロー(Alexander De Croo)首相のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)侵攻を非難する発言をめぐり、両国の大使を呼び出し強く抗議した。
 サンチェス氏とデクロー氏は同日、ガザとエジプトの境界にあるラファ(Rafah)検問所を訪問。
 デクロー氏はその際、「(イスラエルの)軍事作戦は国際人道法を尊重する必要がある」と述べ、ガザでの破壊行為は「容認できない」と非難した。
 サンチェス氏も同調し、ガザでの「罪のない民間人の無差別殺害」は「全く容認できない」と述べた。
 両首相はガザにおける恒久的な停戦を呼び掛けた。
 イスラエル外務省によれば、同国のエリ・コーヘン(Eli Cohen)外相は、スペインとベルギーの大使を呼び出し強く抗議するよう命じるとともに、サンチェス氏とデクロー氏が「テロ」を支持していると非難した。
 これを受け、スペイン外務省は直ちにイスラエル大使を呼び出し、同国政府のサンチェス氏に対する主張は「虚偽で容認できない」として説明を求めた。
 イスラエル首相府が公開した声明によれば、同国のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も、「イスラム組織ハマスHamas)には、イスラエル国民を虐殺し、パレスチナ人を人間の盾として使用しているという人道に対する罪の全責任がある」にもかかわらず、両首脳がその点に触れていないとして強く非難した。【翻訳編集】 AFPBB News

 

4人に1人が勤め先「0点」?高卒就職の怪◆3年で4割退職、背景に見えたもの

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子供を子供扱いし続けると子供のまま年齢だけは成人してしまうことになる。

4人に1人が勤め先「0点」?高卒就職の怪◆3年で4割退職、背景に見えたもの
11/23(木) 8:30配信 時事通信
時事ドットコム取材班

 高校を出て就職する「高卒人材」の早期離職率が高止まりしている。4割が3年以内に離職し、4人に1人は就職先を「0点」と評価ー。ある調査で、そんな結果が出るほど、就職先と希望のミスマッチが生じているという。いったいなぜ。生徒や教諭、専門家に取材すると、大卒人材の就職活動とは異なる「慣行」が背景に浮かんできた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)

◆内定が出たら「必ず入社」
 2023年7月、来春卒業する高校3年生の就職活動が事実上スタートした。さいたま市内の大型施設では、埼玉県内の高校生を対象にした「合同企業説明会」が開かれ、県内の企業を中心に188社がブースを出展。生徒約1400人が「一生の仕事」を求めて会場を回り、担当者の説明に聞き入った。
 就職希望の高校生は、親や知人の会社に就職するなど、学校を頼らずに進路を決めることもできるが、大半は学校に集まった求人票に応募するなどして就職活動を進める。その場合、同時に応募できる企業を制限する「1人1社制」や「内定辞退の原則禁止」といった慣行に従う必要がある。合同説明会の参加者も同じだ。
 会場を訪れた県内の商業高校3年の男子生徒(18)は「体を動かすのが好きなので、製造業に興味がある。内定が出たら必ず入社しないといけないので、きょうは慎重に見極めたい」と話した。今後、就職したい企業を第3希望まで書いて学校側に提出するが、どの社を受けられるかは学校の選考会議で決まるという。
 他校の生徒もおおむね同様の説明を学校側から受けており、ある女子生徒(18)は「なぜそういうルールなのかは知らないけど、そんなものなのかな」と話した。

短期間で円滑に、半世紀続く慣行
 「1人1社制」をはじめとした就活ルールは毎年、国や都道府県と経済団体、学校の関係者らでつくる「高等学校就職問題検討会議」での申し合わせで決められている。埼玉県の場合、来春採用の選考開始は9月16日。9月末日まで「1人1社制」で、10月以降は事業主が承諾した場合のみ、原則2社まで併願が認められると決まった。
 厚生労働省によると、こうしたルールは、「できるだけ多くの生徒に応募の機会を与え、教育への影響を最小限にとどめる短期間のマッチングを可能とする仕組み」として、半世紀以上続いてきた。だが、ルールに従えば、第1希望でも面接すら受けられない生徒も出てくる。同省と文部科学省は20年2月、1人1社制見直しの検討を促す報告書を発表したが、議論が進んだとは言い難い現状があるという。

◆やむを得ない?先生の本音
 見直しが進まない背景には何があるのか。合同企業説明会の会場で、各校の進路指導担当の教諭らに「本音」を聞いてみた。
 「1人1社制などの慣行は、行き過ぎれば生徒の自由を制限することになるが、全ての生徒に内定を振り分けるためにはやむを得ないルールだと思う」と話すのは、ある県立高校の30代男性教諭。「履歴書の書き方や面接対策を指導して1社受けさせるだけで、生徒も指導教諭もいっぱいいっぱいだ」と打ち明け、「もし慣行がなかったら、優秀な生徒が内定を独占して多くの生徒があぶれ、地元企業も人材を確保できなくなる」と話した。
 別の県立高校で進路指導を担当する女性教諭は「18歳成年とはいえ、高校生が労働条件を見極めて、自分に合った企業を選ぶのは難しい。家が近かったり、有名だったりする企業に行きたがる子が大半だ」と話す。就職先が合わず、1年もたたないうちに退職してしまうケースも少なくないといい、「卒業後は、学校側からサポートするのにも限界がある。転職先が見つからず、そのまま引きこもりがちになったと聞く子もいる」と心配そうに語った。
 教諭らからは「学校がある程度介入しないと、悪質な企業に生徒を送り出してしまうことにもなりかねない」という意見や、「採用活動の開始時期が大学の学校推薦型選抜と重なっており、1人1社制がないと教員の業務量が激増する」といった声も聞かれた。「授業をしながら『就職エージェント』もやるのは大変なんです」。そう言ってため息をつく男性教諭もいた。

調査で浮かぶ「ミスマッチ」の実態
 文科省の23年3月卒のデータでは、高卒人材の就職率は約98%に上る。慣行により、就活生全体に内定を行き渡らせることには成功していると言えそうだが、その影で問題になっているのが、ルールを「やむを得ない」とする教師たちも懸念する、就職先とのミスマッチだ。
 リクルートワークス研究所が20年に行った調査によると、高卒就職者全体の40%が3年以内に最初の企業を退職しており、この4分の1超に当たる10.7%が半年以内の「超早期退職」だった。最初に就職した企業を10点満点で採点してもらったところ、全体の24.1%が「0点」を付けている。
 「いろいろな会社と比較したかった」「会社のダメな所を先に伝えてほしい」「何社も受けさせてほしかった」「職場見学がしたかった」「本当に受けたい会社を受けさせてほしかった」-。就職活動でもっと学校にしてほしかったことを尋ねたアンケートには、こんな回答が並んだ。

◆「1人1社」比較しない危うさ
 調査を担当した同研究所の古屋星斗主任研究員は「高卒就職者の半分以上が『1社だけを調べ、見て、1社だけを受けて、1社に内定』していた」と説明した。「企業を見比べて決める経験をしないまま社会に出ると、転職活動のやり方も分からない。正社員として就職した会社を退職し、非正規になった人も少なくなかった」と話す。
 早期離職者との面談で、「段ボール製造の企業に就職したが、加工の熱で工場の中が暑すぎてすぐに退職した」「入社してから社員全員参加の運動会があると知り、それが嫌で嫌で辞めた」といった声を耳にし、驚いたという。「職場見学をしたり、先に入社した学校のOBOGと話をしたりできれば避けられたはず。ミスマッチによる超早期離職は、企業側にとっても大きな損失だ」と嘆く。

◆高卒就職の「特典」使い切って
 高校生向けの合同企業説明会を取材していて、気になったことがある。CMなどで有名な企業のブースにはたくさんの生徒が集まる一方で、若者になじみが薄そうだったり、専門性が高かったりする企業のブースは始終閑散としていたことだ。小型モーター用の軸受製造で国内トップシェアを誇る地元企業の担当者は「社名を知っている生徒や、向こうから来てくれる生徒はほぼゼロ。こうした機会にしっかりアピールしたい」と話していた。
 「問題の背景にあるのは、高校生にとって、就職に向けた『準備運動』が不足していること。高校3年から突然就活を始めるのではなく、地元企業と学校が連携して、高校1~2年生の段階から職場見学や若手社員との交流といったカリキュラムを充実させる必要がある」。そう語ったリクルートワークス研究所の古屋主任研究員は「教員の負担は既に限界に近い。生徒にキャリアアドバイスできる外部人材を入れるのもよいでしょう。少子高齢化でどんどん貴重になっていく若い人材に、国や自治体がしっかりと投資すべきだ」と提言する。
 就活生へのメッセージをもらった。「面接でどんな失敗をしても、学校やハローワークが最後まで寄り添ってくれるのが、高卒就職の『特典』。大人の支援をしっかり使い切って、自分が就きたいと思える仕事を見つけてほしい」

 

報ステが痛烈ツッコミ、お粗末すぎるイスラエル軍の主張-自民・佐藤議員も引用、批判相次ぐ

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どうしようもない状況で、多分、イスラエルも焦っていることだろう。

しかし、イスラエルの宣言は、どれも狂人の戯言のように聞こえてしまう

今までは、国際世論に反しても、強硬に自国のやりかたを貫いて、アメリカの支持を受けながら、時間の経過を待てばよかったのだが、現在は、画像も含めて、確固たる情報が残ってしまう。

その中には、いくらか捏造されたものも含まれるのだろうが、紛争に関係のない第三者の眼から見ても、ガザ地区の住民が殺戮・虐殺、そして、病院への物資を制限したことによる、間接的な殺人を、見逃すことは無い。

そして、被害を受けた子供たちに対して、彼らもハマスだったとでも言うのだろうか?

 

保育園を覆う「新自由主義」と闘った船橋市の父母たち...「民営化に歯止めをかけたと思ったが...」

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子育てのことは、良くわからないけれども、「何か」が起きていることだけは確実のようだ。

保育園を覆う「新自由主義」と闘った船橋市の父母たち...「民営化に歯止めをかけたと思ったが...」
11/8(水) 18:16配信 ニューズウィーク日本版
<待機児童が長年問題になってきたが、2025年をピークに待機児童すらいなくなる超少子化社会へ。民営化で公立保育園が激減し、私立保育園ばかりになった日本の教育環境。子育てから見えた「政治」について WEBアステイオンより>【竹園公一朗(白水社編集部)】

■保育に向き合う座右の書
これまで18年間、記者として、また編集者として「政治」を追いかけてきた。記者としては小泉政権から鳩山政権まで政権中枢を取材した。また、編集者としてはポピュリズム権威主義など、政治学の最新動向をいちはやく紹介してきた。
そして、父母会活動で初めて小さい世界ながら当事者として政治に向き合った。
コロナ下、地元・船橋に関わりたいと思い、保育園の父母会会長になった。そのうち、気付くと、公立保育園父母会連絡会の副事務局長、さらに船橋市の子ども子育て会議の委員になっていた。参加して4年間、そこで見えてきたものがある――。
毎年、保育園内の問題や市の保育行政について保護者の声を集約して要望書を提出したり、市が保育料の値上げを検討すれば、反対運動も行った。ときに怪しげな政党の影がちらついたり、補助金絡みの生臭い地域政治もまざまざと見せつけられた。
これらの動きの基底にあるのは、なにか。この間、常に手元に置いてきた、猪熊弘子『「子育て」という政治:少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?』(角川新書、2014年)を手掛かりに考えてみたい。

■民営化と規制緩和の波
保育園ではこの20年、あらゆる社会問題が噴出してきた。本書を読み進めていくと、「民営化」と「規制緩和」という言葉にぶつかる。端的にいうと、待機児童の解消と引き換えに子育ての現場が新自由主義に覆われたということだ。つまり、民営化の動きだ。
実はこうした角度から、子育てを捉える本はあまりない。新自由主義を批判する本は多いが、保育の現場に焦点を合わせたものはなかなかない。福祉系の学問分野は、行政と近いところで活動する機会が多いためか、ミクロな分析は充実している一方、読んでいてどうも歯切れが悪い。
しかし、政治経済の大きな流れのなかに保育現場を位置付けた本書は、国や地方の政策、地域社会の思惑に幻惑されない、たしかな視点を提供してくれる。
では具体的に何が起きたのか。やはり大きいのは小泉政権以降の動きだ。
本書によると、「民営化が進んだのは、2004年度から公立保育所の運営費が、国の三位一体改革によって一般財源化されたことが最大の理由である」。
これまで公立保育園の運営費は国庫によるひも付きだったが、一般財源化され自治体が自由に使えるようになった。さらにその後、公立保育園の「施設整備費」が交付金の対象外となるなど、2006年度以降、公立の運営費はすべて一般財源化されている。
本書では、公立保育園をつくりにくくする、こうした国の政策を「兵糧攻め」と呼ぶ。実際、2007年には私立の数が公立を上回り、毎年200以上の公立園が全国で減り続けている。
そして、民営化とともに取り入れられた規制緩和が様々な保育事故の温床になった。規制緩和というのは、要は「詰め込み保育」のことだ。

■はたして食い止めたのか?
この間、船橋では何が起きていたか。船橋市内には公立保育園が27園ある。全国的な動きと呼応して、ここでも行政は民営化に動き出した。
ただ、父母会などの粘り強い反対運動で行政の動きをなんとか封じ込める形になっている。その取り組みは2003年から2011年にかけて8年間に及ぶ息の長いものだ。
8年間の活動をまとめたある文書はこう総括している。
船橋市の民営化施策が撤回されたわけではありませんが、実質上の船橋市主導による公立保育園の民営化策に一旦の歯止めをかけることができました。これは父母会連絡会や時間外保育士労組、市職労が先頭に立ち、市民と共に『公立園を1園たりと減らさない』『民営化保育園名を出させない』取り組みを進めてきた大きな成果です」
父母会活動に関わった当初、この話を聞いて、今時こんなことがあるのかと驚いた。
船橋は高根台団地や習志野台団地、芝山団地をはじめ旧住宅公団による巨大団地が点在し、公立保育園も多くがその一角に建てられたので、戦後の革新の余韻がまだ2000年代を過ぎても残っていたのかもしれない。
しかし、喜んでばかりはいられない。公立保育園の維持に気を取られている傍らで、私立保育園が激増していたのだ。
2002年には市内でわずか19園だった私立保育園は、2022年の時点で101園にまで膨れ上がったのである(今仲希伊子「父母会戦記:保育園がなくなる日」白水社webふらんす)。つまり、実質的には民営化したということだ。
こうして保育をめぐる風景が一変することで、子育てを公共の事柄として大事にする態度が地域社会から消えてしまったと感じる。行政は待機児童対策でひたすら私立保育園を増やし、保護者は預けられればどうでもいいと思考停止する。
『「子育て」という政治』にはこんな一節がある。
「親が『預かってもらえるならどこでもいい』と言い切ると、預かる側は『預かればなんでもいい』という保育に堕ちていく。保育者と保護者は合わせ鏡なのだ。両者が常によい保育を求め合っていく中で、保育の質は向上していくものなのに、今は、それが下を向いている悪いスパイラルに陥っている状況だ」
深刻なのは保護者の無関心だ。「忙しい」「ムダ」「時代にそぐわない」などと言って、PTAや父母会叩きが一定の支持を集めている。
実際に解散したり、活動を縮小する父母会を数多く見てきた。しかし、こうしたシニカルな動きが加速すればするほど、地域の子育ての「質」は低下していく。
この『「子育て」という政治』は2014年の刊行だが、その後、国の政策課題は「待機児童」から「定員割れ」へと急旋回しつつある。
厚生労働省は「保育所の利用児童数のピークは2025年となる」としており、保育園がなくなる時代がまさに到来しつつあるのだ。この20年間の民営化のしわ寄せはこれから来ることになる。
船橋市では昨年度、初めての廃園が出た。そして、つい先日、株式会社が運営する私立保育園の事業譲渡が市の「子ども子育て会議」で淡々と処理された。
こちらが質問すると、保育士の雇用と児童は当面守られるという回答が担当課長からあった。学識者からも全国的によくあることとの発言が出た。しかし、譲渡で翻弄される一人ひとりに寄り添う配慮はそこにはなかった。
竹園公一朗(白水社編集部)

 

偽情報や陰謀論…「日本好き」欧州の若き研究者が「日本社会も劣化している」と語る理由

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偽情報や陰謀論…「日本好き」欧州の若き研究者が「日本社会も劣化している」と語る理由
10/28(土) 18:03配信 現代ビジネス
 「日本のアニメから日本が好きになった」
「旅をして清潔さや電車の時間が正確なことに驚いた」
これはSNSにも集まる「日本が好き」という海外の方の声の一部だ。
しかし日本が好きで研究を始めたら、また別の面が見えてくることもある。

 ジャーナリストの栗田路子さんはベルギー在住。先日『ヨーロッパ日本研究協会(EAJS)』が開催するカンファレンスに参加すると、驚くような研究発表がなされたという。
 「何度も何度も日本に足を運び、合計すると何年も日本に住み、平均的日本人以上かと思うほど日本の新聞や雑誌に毎日のように触れて、”日本の家族”と呼ぶほどの近しい人々や友人のネットワークをしっかり培う」ような研究者たちが「日本ヤバイ」と感じ、それを発表していたのだ。
 栗田さんが研究者たちの伝える日本について綴った前編では、東日本大震災原発事故があってもなお「ショウガナイ 」で原発依存を受け入れたり、ウクライナ侵攻の偽情報でも疑うことを知らなかったりする日本人の姿に直面したウクライナ出身女性の研究をお伝えした。
後編では陰謀論や偽情報が飛び交う現状を扱う2人の研究内容を栗田さんの寄稿によりお伝えしていく。

小林よしのり」マンガの研究を
 「小林よしのり」マンガが、コロナ禍で偽情報や陰謀論拡散にどれほど威力を発揮したか――。黒いショートパンツでぴしっときめたリンダが、こんなことを研究しているなんて、日本のだれが想像できるだろう。
リンダによれば、小林のマンガは、劇的なヴィジュアルと激しい言葉遣いで、日本の大衆を「グローバリズムに侵されて主体性なく情報をうのみにする『コロナ脳』になっている」と厳しく批判する。一方で、「ファシズム全体主義を正当化したり、歴史修正主義的な主張をまくしたてたりと危ない」方向を指向する。相反する論旨を同時に感情的に浴びせかけるやり方は、「今、世界中で同時多発的に勢いを増している新右翼の『歴史修正と陰謀論のからくり』にそのまま重なる」のだとリンダはいう。
 日本のイメージは? と聞くと、「若いころはもっとずっとポジティブだったのは間違いない」と前置きしながら、「でも、私の生い立ちのせいか、若い頃から、政治や政党などには懐疑的だったし、日本人は二言目には『日本は特別』と言うけど、私は全然そうは思わなかった。日本で起こることは戦後の近代史というコンテクストでは、超国家的な現象として世界中で起こっていることの一環に見えるから……」と冷めた様子で話してくれた。
 リンダは旧東ドイツ出身。日本のポップカルチャーには惹かれたけれど、大学で日本研究を選んだのは、実は、ハードルが低かったからと本音も隠さない。
 「日本ではあまり知られていないかもしれないけれど」と断りながら、ベルリンの壁崩壊後の旧東独では、過激なネオナチ・ギャングが跋扈し、自分は暴力的に価値観を揺さぶられながら幼少期を過ごしたのだと説明してくれた。「国も、警察も、司法も、どんなに正義を振りかざしていても、ギャングたちを取り締まって市民を守ってなんてくれないってことを肝に銘じながら育ったの」と。
 選んだ日本の留学先が沖縄だったことも、日本の政治や政策を批判的に見ることに強く影響しているというリンダ。彼女には沖縄が本土決戦を防ぐための捨て石にされたことも、無理筋すぎる辺野古基地の問題も、ウチナーンチュの視点で見てしまうのだという。
 随分、クールで辛口に聞こえるが、そんな彼女も、日本に半生を注いだことを後悔してはいない。つぎ込んだ時間とエネルギー、多くの友人・知人や家族のように親しい人々との交流を通して、「日本」は、今では切っても切り離せない自分の中核をなしているという。

客員研究者として慶應大学
 ベルギー人のスティーヴィは、コンピュータ・サイエンスが専門で、「日本」は趣味のようなものだったという変わり種だ。ChatGPTの登場で急に身近になったAIとビッグデータ解析手法を日本研究の世界に初めて導入したことで、彼の研究は今、注目されている。
安倍元首相暗殺事件後に激増した統一教会関連のX(元ツイッター)を始めとするSNSでの投稿は、とてもマンパワーではさばききれない膨大な量だった。だが、最先端のテクノロジーを用いれば、意味的・量的両面から解析できるとスティーヴィは直感した。SNSを用いた陰謀論や偽情報拡散の実態をとらえ、国境を越えて猛烈に広がるデジタル・ポピュリズムの戦術を理解しようという試みだ。スティーヴィは9月から客員研究者として慶應大学に在籍する。
 「日本について? 最初のうちは、何も知らずにナイーブに大好きだった。他の若い子たちと同じように、アニメ、マンガ、ビデオゲーム、コスプレなんかがきっかけでね。大衆メディアやネットコミュニティに影響されて、日本にも他の国々と同様にあるいろんな問題を無意識のうちに見ないようにして、好きな日本だけを見てたと思う。
 僕の場合、大学での専攻は情報科学で、『日本』はおまけみたいなものだった。そして、理系の勉強をするうちに、むしろ、人文科学に興味が湧いていった。ハイテクを用いて人間や社会を理解すること、逆にそれが人間や社会にどんな影響を与えるかということにね」

「日本社会の劣化」は研究対象に最適
3人を始め、EAJSに集まった研究者の話をまとめてみると、どうやらターニングポイントは2010年代だったらしい。日本では、東日本大震災が起こり、安倍元首相を頂点とする「自民安定政権(自公も含め)」に入ったが、欧米でも大きな変化が起こっていた。 「Brexitが決まったり、トランプの大統領選なんかがあった2010年代の半ばまでに、欧米では偽情報拡散で世論を操作しようとする動きがすでに顕著にみられていたじゃない?」とスティーヴィに言われてはっとした。確かにそうだった。今思えば、私のFacebookアカウントは、ケンブリッジ・アナリティカによって「米民主党、英労働党支持者」とみなされていたらしく、トランプの偽ツイートだの、EU離脱派の怪しいデータなどがタイムラインに次から次へと投稿され、うっかりひっかかりそうになったものだった。
 「日本でここ十数年、加速度的に起こっている現象は、『日本固有のこと』ではなくて、俯瞰的に見れば、世界的に高まる右派ポピュリズムの一例」「だから、日本でこういう新右翼的な潮流が蔓延しはじめても、特に失望とか幻滅とかしなかった」という点で彼らは一致している。
 ヨーロッパでは、この間、凄まじい偽情報操作を当局が察知して、EUや各国政府が必死に乗り出し、取り締まる法律や仕組みを作り始めた。「もぐらたたき」の様相だが、それでもなんとかして市民を守ろうとの努力が積み重ねられてきている。「日本ではそういう動きがほとんどないから、どんどん増幅してしまう。それに日本語という言葉の壁もあって他国や他文化からの影響を受けにくい」それが、研究にはもってこいの「インヴィトロ(試験管内)状態」を提供しているらしい。
 彼らは日本を研究してはいるが、研究テーマが「日本」に限定されているわけではない。現在世界的にメタ現象として進行している「新右翼」や、それと「デジタルメディアの関係」、さらにいえば、AIなどのハイテクによる「デジタル・トランスフォーメーションと社会との相互ダイナミズム」がテーマなのだ。アメリカやヨーロッパの国よりも、日本のそれを分析した方が、より顕著に見えるということなのだと腑に落ちた。

自分の一部にもなってしまった日本、でも…
 日本留学を通してよい人たちと出逢ったし、ヨーロッパとは異なる文化や芸術や社会に浸って多くを学んだから、日本研究を選んだことに後悔はないし、これからも続けていくだろうという点で3人は口を揃える。そして、一介の研究者に過ぎないのだから、日本社会や政治を偉そうに糾弾する立場にはないと、とても慎重で低姿勢だ。 
 ただ、個人的には……言葉を濁しながら危機感を隠さなかった。
 「民主主義がほとんど機能しないほど劣化していたり、包摂的社会にしていこうとしている人たちが挫折してがっかりしていることも知っている」(スティーヴィ)
 「日本の若い人たちが、もっともっと多くクリティカル・シンキングメディア・リテラシーを持って、社会的議論に積極的に関わるようになればいいのに」(オレナ)
 日本の同世代にはあまりにもそれが欠如しているから、偽情報でも陰謀論で好きなように操作されてしまうのだという。
 「たとえば、ワーキング・プアの人々とか、女性の不平等とか、LGBTQ+の人々のアイデンティティのこととか、国の近未来をひどく憂慮している若者やシルバー世代がいることとか、民族的文化的に異なる背景を持つ少数派のこととか――困っていたり、あがいたりしている仲間たちを見て見ぬふりをする人々が少なくないことはとても残念に思う」(スティーヴィ) 
 確かに、日本では友人や知人は支え合うけれど、欧州にいると困窮する赤の他人のために、立ち上がり連帯する人が驚くほど多いことを、すごく頻繁に目の当たりにしてきたと私も思う。
 経済格差拡大、地政学的緊張の高まり、差別を助長するような政策、反知性主義の高まり、気候危機の否定や不作為などの傾向は、日本だけで起こっていることではないと彼らは見る。ただ、日本ではそれが誇張されていると言う。
 「地球が抱える今日的課題、つまり、気候危機、持続可能なエネルギーへの転換、自然資源の枯渇、性や国籍、人種などあらゆる側面での人権侵害といった課題に、日本の政府は、持続可能な形で解決しなくてはという認識も意欲のかけらもないように見える」(リンダ)
 「自民党政権自体がすでに諸外国で勃興するポピュリスト的主張や政策を実践しているから、典型的なポピュリスト政党の出る幕はないと分析する学者もいるけれど、だからといって、このまま放置していたら、得票目的だけの政策が歯止めなく繰り返されるだけ……」(リンダ)
 確かにドイツのための選択肢(AfD)やフランスの国民連合のような極右政党は、日本を「理想」として掲げているという話は巷では有名だ。

近未来の日本を憂いて
 ヨーロッパ人にマイクを向ければ、今も、期待通りの「日本っていいね」が返ってきて胸をなでおろす私たち……。かつては、オピニオンリーダーが新しい情報を発してから、それが社会全般に伝播するには、十数年はかかると言われてきた。おかげで、未だに、日本に対して嬉しい好イメージを抱いてくれている人が世界中にあふれ、超円安も手伝って、コロナ禍を越えて日本は行きたい国の筆頭にあがる。
 でも、今は、デジタル時代だ。情報はあっという間に広まる。若き日本研究者たちが、ここまで知り抜いて発信する日本社会の劣化ぶりは、瞬く間に地球社会に広まってしまう時代かもしれない。
 『宗教右派フェミニズム』著者の山口智美氏や、「ひろゆき論」で有名な伊藤昌亮氏、日本型排外主義研究でも知られる樋口直人氏らのセッションを真剣に聞き入っている欧州の若手研究者たち。その後ろ姿を眺めながら、近未来の日本社会を思い描く時、ふと背筋にひやりとするものを感じてしまったのは、私だけではない気がする。

 

古本市へ行く

古本市

母親はショートスティ中なので、この機会に久しぶりに、古本市へ行ってきました。

光が丘(東京都練馬区)の書店の一角なので、少し、侘しい感じもありましたが、4冊ほど入手しました。

ちなみに、自宅からは全て徒歩での往復で、平和台駅で道に迷ったので、多少、距離が伸びました(疲れた)。