110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

科学者として生き残る方法(フェデリコ・ロージ/テューダー・ジョンストン著)

本書は日経BP社2008年初版刊行のもの。

古本読みはこういう読書をすることがある、私は、本書の表題にあるような科学者ではない、大学も理工系の専攻ではない。

しかし、古本屋の店頭に本書が安価に並べばちょっと手を出してみても良いかと思ってしまうのだ。

ちなみに、タバコの値段を一つの尺度として使えば、たばこ1箱買う値段で3冊くらい古本が買える世の中にはなっている。

あとは、読む時間があるかどうかだが、最近の風潮は読書に時間を掛ける人は減っている様だね。

それは、巷の日本語が、ひどいものになっている現状が、ある意味、証明しているのではないかな。

さて、本書についてだが、科学者として、研鑽を積んだ人が、どのように世渡りすれば良いかを書いた本で、読む分には楽しく読めるが、文系の私にはほとんど直接的な関係がない。

ところが、一つだけ気になったところがあった、それは、どこの国の大学を選ぶのが良いかというところで、まずは、北アメリカ(米国、カナダ)そして欧州というところが並ぶのだが、アジア圏としては、中国に注目していたのだ、日本ではなく。

本書の原書は2006年に出版されているから、その当時から中国という国に勢いがあったという事を示しているある事例ということは言えよう。

日本でも、よく教育が大事と言われている、そして、国力の向上には、優秀な人材を国内で育てたり、海外から流入してきたりすることが重要だが、先ほどの日本語の話ではないのだが、どうも、上手いように事は行ってないような気がする。

確かに、教育、人材育成には、結構な費用が掛かる、また、教育したから、その相手が優れた人材に成長するかどうかも、微妙なところだ。

このところのコロナ禍で、日本の国力も露呈してきている様だが、どうも、余りお金の余裕は無いようだ、すなわち、(国は)あまり教育に費用は掛けられないのではないのかな?

そうなると、ちょっと先行きは寂しいかもしれないな。

まぁ、100円で入手できる良い本がごろごろしていても、読む人がいない国ならば、国がお金を投じても無駄かもしれないね。