110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

小熊英二が言うなら信じよう

内田樹小熊英二らが警告する「危ういニッポン」の行方
10/15(木) 14:02配信 FRIDAY
2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんのメッセージからは、悲痛な叫びが聞こえる
菅首相が、こんな乱暴なことをした、という事は、歴史上長く糾弾されるだろう。戦争の反省の上に作られた”日本学術会議”に汚点を残すものである。2020.10.12 益川敏英
学者たちが憤っている。菅義偉首相による日本学術会議の任官見送りに対して「許しがたい」と抗議の声を上げている。
「これは差別のはじまりです。理由もなく拒否していいなら、いくらでも差別ができてしまう。なにが理由なのかわからなければ、疑心暗鬼を生み出します。ルールは守らなければならない。『なんとなく』を許しておくブラックボックスのような現状が不快です」(小熊英二慶應大学教授)
10月14日、安全保障関連法に反対する学者の会が会見を開いた。冒頭のノーベル物理学賞受賞者・益川敏英氏(京都大学名誉教授)のメッセージは怒りを越えて悲痛ですらある。

◆国内外、各界から疑問の声が上がっているなか
法律上の問題(憲法違反にあたる)、説明過程の不誠実さ(名簿見ていない/じつはちらっと見た)、学問への冒涜と、さまざまな視点から疑問が噴出している。そしてさまざまな、およそありとあらゆる400近い学会と、大学、研究所が抗議の声明を発表している。
映画界からは、是枝裕和監督はじめ22人の映画人による抗議声明があった。国内のあちこちから疑問、抗議の声が日に日に大きくなっている。が、「任官見送り」の理由は、未だ明らかにされていない。
哲学者で凱風館館長の内田樹神戸女学院大学名誉教授も、都内での会見に駆けつけた。
「学問って、国民を豊かにするためにあるんですよ。今、日本の国力は明らかに低下しています。世界のなかでの評価も下がっている。管理しやすい国を作って、そこから、どんな『よきもの』が生まれるでしょうか。統治コストは安くなるでしょう。でも、長期的な国力は劇的に低下します」

◆事実と違う「情報」があまりに多いのはなぜか
会見では、学術会議に関する誤った情報、デマについての説明もあった。年間予算は10億円、その半分は事務費で、会員に年金は支払われていない。全米アカデミーの230億円に比べると、ずいぶんとささやかな金額に感じる。
日本学術会議は200人の会員と2000人の連携会員が、政府に年60~80件の提言をしています。コロナ禍で、世界のアカデミーが協力し合うべきときに日本が参画できないとしたら、これは大きな損失です」(戒能通厚・早稲田大学名誉教授)

◆学問は、国民の幸せのためにある

内田樹さんは重ねてこういう。
「そうすることで、なにがしたいのか。日本国民にどういうプラスがあるんでしょう。国民は幸せになるでしょうか。目的がわからない。みんな暗い顔をしている国より、グイグイのしていく国にしたいですよね。このままでは国が滅びてしまいます」
「理由を言わず、プロセスを明らかにせず『私たちが決めたんだから、私たちを信用してください、以上』では、危うすぎる。学問の世界だけでなく、社会が萎縮していく」(小熊英二さん)
今、ねじ伏せられようとしているのは、学者だけではなくわれわれひとりひとりの生活であり、命なのかもしれない。
FRIDAYデジタル

 小熊英二の言説は信用している、今までの自分の考え方とも符合しているようだ。

最近はハンコを無くする方向性らしいが、彼が、言うのならば、盲判を押してもいい。

政府もプライドからなのかどうか、ひたすら自分の正当性を主張するだけなのだが、この一連の騒動で大学教授のうちの何割かがやる気をなくせば、国の知的レベルは明らかに下がるに違いない。

また、調べれば調べるほど、政府からの研究機関への資金援助は減少傾向にあり、博士の数も減る傾向にあり、人口も減る傾向にあり、逆に、ここで学術会議の存続を検討して廃止したら、もう、同じような権威の機関は同コスト(年間10億円)ではできない。

20世紀の華やかな頃は、国内の民間企業などにも余裕があったので、民間支援に期待もできたのだが 、今は余裕はないよね。

政府は、言葉の上では我が国の知的レベルを上げたいようなことを言っているけれども、実際は逆行していることに気づいたね。

政治家には学者の心理は当然読み切れない、そして、私たち一般国民も、大学法人法を軽々しく容認し、特に国立大学の教授の地位を軽々しく引き下げてしまったよね。

すでに、我が国の官製による「知」の低下は進んでいるはずだ。