法人資本主義(奥村宏著)
本書は、御茶の水書房1984年刊行のものだが、私は、朝日新聞社の改訂増補版を(今頃)読む。
バブルと言う言葉が先行してそれが一つの理想だと思っている人もいるだろうが、バブルを起こすにはそれなりの経済力も必要なわけで、本書は、戦後の日本がアメリカを脅かすのではないかということが囁かれた、経済的栄光の時期の、その日本の企業システムを分析した本だ。
あの頃のことを全く知らずに本書を読むと、現在とは異次元の世界があったことがわかるだろう。
著者は、日本を「法人資本主義」の国と定義し、そのシステムが世界で類のない経済力を発揮したとしている。
その面影は現在の日本にはないのだが、もしかすると、伸長著しいアジアの国々には残っているかもしれない。
本著者は2017年に亡くなられた、本書は随分前に入手していたので、もう少し早く読んでおけばよかったと、少し後悔した。