110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

民間病院、開業医への批判について

「“緊急事態”いつ解除?減らない重症者と人出」という記事があって、その中のコメントに以下のものがあった。

民間病院は今までさんざん、老人を通わせ、不要な薬をばら蒔き、国民の税金(保険料)で甘い汁を吸ってきた。
それなのに病床逼迫の肝心な時に、彼らはそれらしい理由をつけて受入れを拒否。そのせいで医療崩壊寸前になり、一般市民は自粛を強制され、失業者や自殺者が急増している。
しかも頼みの公立病院を増やすのを阻んできた張本人は開業医である。
国民の血税(保険料)は決して開業医達の肥やしではない。彼らは今こそコロナ患者を受け入れ、社会貢献するべきだ。医師会も自粛を呼びかける前に開業医達に受入れを呼びかけよ。

賛同の意見も多い、私は特に医療機関の批判をする考えがないので、比較的中立的な立場で、本コメントに対する各種コメントを見ることができたのだが、意外に、病床数がどうのこうのという単純な問題ではないことに気付かされた。

民間病院です。1日1万から3万の個室8部屋をコロナ専用にしています。
中等症までなのでレミデシビルやデキサメタゾンの投与は行います。
改善する人もいますが重症化すると,挿管して病院を探します。
これくらいのことはどこの病院でもできると思いますが。
若い看護師さんも交代で対応に当たっています。
改善すれば一般紙病床に移し次の患者さんを受け入れます。ところが院内満床状態で受け入れ困難となっています。なぜか?
家族が感染を恐れてか、介護の煩わしさかで拒むのです。高齢者施設も、送ってきておいて引き取ってくれないのです。ここに病床逼迫の要因があるのです。
これは脳卒中や心疾患、癌の術後でも起きていたことです。
ちなみに20億円の経営赤字です。昨年までは少しの黒字。
国と区はもう少し補助すると言ってくれてます。
国は2019年度の収益を保障すると確約すれば手をあげる施設も出てくると思います

これには、賛同コメントがありました

> hir*****
> 家族が感染を恐れてか、介護の煩わしさかで拒むのです。高齢者施設も、送ってきておいて引き取ってくれないのです。ここに病床逼迫の要因があるのです。

民間病院の使用率はテコ入れが始まっているとも聞きますが、さらにその先が詰まっているのも問題ですね。回復期リハビリ段階に入った人を受け入れるべき介護施設や家庭が拒否していては病床はいつまでも解放されない、本当に必要な人が入院できない…今、『入院拒否』に罰則を設けるなら『退院拒否』した個人・施設にも処罰を課す議論をして欲しいですね。

続けましょう

日本は他国に比べ病床が突出して多いせいで、医師看護師が分散してしまい、1病床当たりの医師看護師の数が欧米の5分の1しかいません。

ICUの病床も各国に比べ少なく、コロナ前から人手不足の中対応していたので、重症対応出来るスキルを持った医師看護師の数が元々少ないのです。

民間病院の多くは中小規模の病院で、ICUがない病院も多い=重症対応出来るスキルを持った医師看護師もいない。ゾーニングも難しい。

中等症程度であれば受け入れも可能だが、重症化した時の受け皿がないと難しい、素人には分からない色々な問題があるので、批判すべきでは無い。

コロナ病棟の医師が、「我々がコロナを診る代わりに民間病院には他の疾患の患者を多く受け入れてもらっている。本当に感謝している。」と話していました。患者はコロナだけではないので、コロナはコロナ専門病院で診る方が院内感染リスクをら下げられるのです。

 

開業医っても町医者で入院施設ないとこは論外だし、小規模病院は、コロナ専門化しないとゾーニングとかできない。大きい民間は、感染症指定とか救急もやってる。
あとは、姨捨山的な病院はコロナで役に立たないけど若い世代が求めてるからそういう病院も多いんでしょう。なので、どれだけリソースが増せるかは病床数とか医者の数では測れない。

 

近所の民間病院は
47床の一棟をすべてコロナ対応にして10床確保
各部署から看護師集めても足りず採用募集掛けて
先週は職員もコロナ感染

夜間の救急外来は廊下まで患者があふれて
救急受け入れ休止日までできてきてるし

大病院でもそれなのに
開業医に受け入れろってむりじゃなかろうか

 

当然出てくる意見も載せておきましょう。

コロナを2類から下げればいいだけ
2類だと医師と看護師しか接触できない
だから看護も清掃もリハビリも看護師がやらなきゃいけない
1人の重症老人に8人だ10人だって看護師が必要になるが、民間病院にそんな数の看護師の余裕はない
病床数ってのは、通常の入院規定にそった看護師の数でしかない
既に入院している患者を放り出せるわけではないので、そこに必要な看護師を確保したままコロナ患者のために10人の看護師を別で用意出来る病院が日本中にあるだろうか?
ちなみに1度コロナ患者担当になると移されてる可能性があるから、今日はコロナ病棟、明日は外科や外来なんて勤務方法は出来ないからシフトではなくコロナ専任看護師を置かなくてはいけない
2類相当じゃなくせば、着替えやベッド移動は介護士、リハビリは理学療法士、清掃は清掃員がやればいいので看護師の必要数は激減する

 

そうですか?
開業医を増やして、地域のかかりつけ医として軽微な病状や健康管理的な側面を担わせ、急性期は大病院へ、という現在の医療体制を作ってるのは厚労省ですよ。
そうでなくてもコンビニ受診など患者のほうのモラルが低下してきている現在、どこでもなんでも診察しますという診療体制は無駄に医療費の増大を防ぐだけです。
だから開業医には厳密な感染対策や高度な医療機器の設備は不要としてきた。それがいざ感染拡大したからさぁどんどん患者を受け入れて感染対策してエクモでもなんでも使ってくださいと言われても無理です。そんなことしたら診療所に患者が殺到してそこがクラスターの震源地になりかねない。
主の意見は素人のヒステリックな八つ当たりです。開業医には開業医の役割があり、それを逸脱した行為はなんの意味もありません。

 

このコメは医療業界が見えてないな。たしかに開業医は勤務医と比べ給料が高いから甘い汁と見える側面もあるけど、予防の観点からは現状クリニックが行っていることはある程度正しいと思うよ。民間の怪しい療法にとびついてよくわからん状態になるよりもね。

そして、大半が病床をもつ病院ではなく、クリニックなんだよ。
コロナといういつもより強い風邪に対してマスメディアが過剰反応することで、風評被害に恐れているところもあるし、そもそも病床を持っている病院だって今まで対応してきた疾患の患者がいるから、免疫の弱っている患者の近くにコロナ患者を入れるのは殺害に等しいから入れられないよ。

今のシステムが無理なんだと思う。

最後の一文「今のシステムが無理なんだと思う」が正解なのだろう。

短期的に、現在の状況、ルールのもとでは精一杯だから、変更しなければならないという課題は判った、しかし、だからといって、他国の状況などをマクロ的(大雑把)にあてはめて、現状批判するのは軽率ではないか・・・というのが、妥当なところのように思う。