110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

出遅れ日本、存在感薄く G7、ワクチンが焦点

出遅れ日本、存在感薄く G7、ワクチンが焦点
6/11(金) 7:08配信 時事通信
 【コーンウォール時事】11日に英南西部コーンウォールで開幕する先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、新型コロナウイルスの世界的流行が続く中、ワクチン普及による感染収束が最重要課題となる。
 議長を務めるジョンソン英首相は、来年末までの全世界でのワクチン接種完了を目標に掲げたが、接種で出遅れた日本はこの議論で存在感を示せずにいる。
 「戦後最大の困難にわれわれが立ち向かうのを世界が見ている」。ジョンソン氏は声明で、G7が自国だけでなく、世界全体のために行動する必要性を訴えた。
 呼び掛けに対する異論は出ておらず、焦点は実現に向けた道筋に移った。自国で余ったワクチンを国際的な共同調達の枠組み「COVAX(コバックス)」などを通じて途上国に分配することに加え、ワクチン製造技術の移転や資金拠出が議題となる見通しだ。
 議論を主導するのはバイデン米大統領。COVAXに巨額の資金支援を表明したほか、余剰ワクチンの提供にも積極的だ。途上国が求める特許権の一時停止をいち早く支持するなど、「リーダーシップが際立っている」(ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュムハマド・ユヌス氏)と称賛の声が上がっている。
 一方で日本の存在感は薄い。余剰ワクチンの途上国提供は、英仏米などが2~3月に表明したのに対し、日本の正式発表は今月に入ってから。ワクチン確保や接種開始でもたつき、最近まで自国分の確保にすら四苦八苦していた。
 英オックスフォード大研究者らのデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、今月6日時点で、日本を除くG7各国では人口の4割以上が少なくとも1回のワクチンを接種。日本は1割程度にとどまり、周回遅れとなっている。 

 この記事に対してのコメントについて少し考えてみた。

永濱利廣 第一生命経済研究所首席エコノミスト
なお、主要先進国のワクチン接種率と経済成長率見通しには明確な正の相関関係があります。
IMFの2021年経済成長率見通しを被説明変数、直近の人口100人当たりワクチン接種回数を説明変数として単回帰分析を実施すると、統計的に有意な正の相関関係があり、ワクチン接種率と経済成長率見通しに関係があることが指摘できます。
そして、この関係から試算すると、日本で英米並みに接種が進んでいたとすれば、2021年のGDP予測が現状の見通しより+2.2%ポイント程度、額にして約11兆円程度上振れすると試算できます。

ワクチン接種がGDPに与える効果という解釈をするか、感染を抑止して経済活動を維持できたときの効果と見るか、私は、感染抑止による効果だととりあえず仮定した。

とすれば、現在の、国民がなまけて感染抑制を先延ばしにした「ツケ」が、最低限この程度はある、ということだね。

囚人のジレンマを例にブログに上げたが、国民は「感染抑制を徹底すれば早く回復できる、時間を稼げばワクチンが間に合うという」理性的な選択ができなかったために、政府の対応に全ての責任を負わせようとしているようにも見える。

まぁ、ワクチン接種が始まったので、いつか近い将来に、一応の収束はするだろうが、そのときに忘れてはならないのは、国民はコロナ禍の対応としてはあまり良い選択をできなかったことを、肝に銘じるべきだろう。

そして、感染拡大の中心となった人々については、もしかすると、自身、職がなくなったり、経済的に大変なことになったかもしれないのだが、その原因のある程度の決して小さくない要因として、感染抑制を徹底できなかったからだということ、すなわち、自分で自分の首を締めたのだということに気づくことだね。