110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

我と汝・対話(マルティン・ブーバー著)

 人間がその中心的な存在であるのか、それとも、いわゆる「神」は存在するのか?
 そういう立場で現在の、人間のあり方を問うている著作。
 ありきたりな言い方をすれば「合理主義」の功罪を問うている様に思える。
 さて、これに対しての「答え」は、残念ながら「考慮中」としか言いようがない。
 ニーチェフッサールハイデッガーという、20世紀初頭のドイツの哲学者を逡巡している現状としては「答え」は自明のようにも思える。
 しかし、それを抑えるものがある。
 それは、「合理主義の恩恵を(多少であろうとも)得ている私が合理主義を否定できるのか?」というもの。
 これはつまらない話に過ぎないのかもしれないが、「まだ、大丈夫」と先に延ばしている内に、手遅れになってしまった病気。