110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ニーチェ(ジル・ドゥルーズ著)

前回がハイデッカーだから次は、ニーチェへと戻りつつ、ドゥルーズの著作という様に前進する。 ツァラツゥストラは、以前読んでみたが良くわからなかった。今度は本書でも解説つきで、部分的にニーチェの思想に触れるが、やはり難しい。 ただ、ハイデッカー…

形而上学入門(ハイデッガー著)

ハイデッガーと言う哲学者は、いろいろと批判されるところもあるようだ。 ところが、たまたま、読み始めた本書は(私的には)非常に気に入った。 本書の底流は、ある意味、禅問答のような「なぜ一体、存在者があるのか、そして、むしろ無があるのではないか…

うるしの話(松田権六著)

最近、古本を読むようになり、少し楽しい事がある。 それは、本書のように、もし正価を払うんだったら買わないだろうと思う本に、案外気楽に手が出せるからだ、それは、最近では、山川菊栄さんの著作だったり、もっと有名どころではホメロスの叙事詩にもめぐ…

時間と自我(大森荘蔵著)

主題は大きく2つある。 まず、一つ目は、現在から見た場合の、過去や未来と言うものについて、自然科学で一般的(?)な、一次元的の数直線の上に移動する点としての「現在」があるとする事についての哲学的考察。 もしくは、「時間」が流れるとはどういうこ…

2007年3月24日の歩き

本日は、夕方から天気が崩れるという予報でした。 そんなこともありまして、軽めの歩きです。 コースは、自宅から飯能駅まででした。 (詳細につきましては、以前にも歩いたコースですのでそちらをご覧下さい) 歩数は、約5万歩でした。 3月23日の山登りで「…

2007年3月21日の山登り

本日は、何故か(小)山登りになりました。 歩数は、伸びませんが「肉体疲労」的には充実していました。 コースは、西武秩父線「正丸駅」から、「伊豆ヶ岳」~「天目指峠」~「子の権現」~「吾野駅」というものです(関東ふれあいの道のルートでご存知の方…

わが住む村(山川菊栄著)

「武家の女性」を読んでお気に入りの山川さんの著作。 今回は、山川さんのが当時住んでいた神奈川県鎌倉郡村岡村(現在の藤沢市)の様子を伝える。 毎回、とてもよい気分にさせてくれる文章だ。 今回はその中で、こんなところが気に入った、 大正八年のある…

2007年3月17日のちょっと歩き

今週の歩きは距離(歩数)的には不調でした。 朝起きるのも遅く、歩き始めは午前10時ごろ、行く当てもないので、ふらふらと歩き始めました。 なんとはなく着いたのが、家の近くの「哲学堂(公園)」中に入る事はなかったのですが、覗いてみると意外に面白そ…

武器よさらば(ヘミングウェイ著)

名作ですね。 読まれた方も多い事でしょう。 ヘミングウェイは、彼の生きてきた時代を描くので、時代的に「過去のもの」というイメージもあるのかもしれませんが。 個人的には、いわゆる、平和と戦争、生と死、天国と地獄のような、明確な対比が、複雑に交錯…

無限、宇宙および諸世界について(ブルーノ著)

現在は「言論の自由」が法律上保証され、却って、余りに自由に「発言」「出版」されるので問題になっているが、「言論統制」されていた時代は、そう昔の事でもない。また、いつ、如何なる手段で(直接的に)統制されるかもわからないし。逆説的に、現在は、…

(原稿用紙10枚を)書く力(齋藤孝著)

読むほうは「雑読」だが、書くほうはさっぱりだなぁ。 と目に付いたのが本書。 原稿用紙10枚の文書を書ければ、もっと枚数が多くても書ける。 そのためには、 すぐに書き始めるのではなくて、きちんと構想を練るのだよ。 ポイントは3つくらい用意するんだよ…

ローマ人盛衰原因論(モンテスキュー著)

昨年、はまってしまった「ローマ人の物語」から、ローマというものに興味が出てきた。 それは、私個人だけのものではなく、もっとより深く研究している方々が大勢いるという事と、それにふさわしい内容があるという事だと思う。 さて、モンテスキューのこの…

歩数計の電池を入れ替える

大したことではないのですが、私の使用している歩数計(万歩計?)は、オムロンの「ヘルスカウンタ(そういう名前か?・・・初めて知った)HJ-113)で、電池寿命は「約6ヶ月」で、遂に電池切れマークが点滅したので、電池を交換しました。 これで、3日坊主では…

9.11(ノーム・チョムスキー著)

実は、チョムスキーの「言語論」が1/3位読んだまま積んである。 一昨日、古本屋に行くとこの人の本が文庫である。 「9.11」とは今となっては古い事件だが、チョムスキーという人が、こんなに政治批判をする人だとは思わなかったので「目から鱗が落ちる」とい…

現象学入門(竹田青嗣著)

フッサールの現象学についての入門書、哲学系の本は(私にとって)いろいろ難解な言葉がでてくるが、本書では、それらについても丁寧に解説されていて、判りやすい(判った気になる?)本だ。 現象学に関する偏見や誤解についても解説されている。 その中で…

死因事典(東嶋和子著)

書名がショッキングだなぁ。 ただし、これは(講談社)ブルーバックスの真面目な本です。 発行が、2000年なので、少し資料的に古いかなと思いつつも、先日、テレビで似たような内容の番組をやっていました。 さて、本書の中では、特に「この記述」が気になり…

武家の女性(山川菊栄著)

幕末の水戸藩の下級武士の家庭を女性の視点でとらえた本。 今から見ると、経済的には貧しかったが、反面とても和やかな日常が、幕末の動乱の時期にもあったことが伺える。 「一体にわれわれが考えるほど当時の女たちが不幸だったとはいえません。そういう中…

こどもたちに語るポストモダン(J.-F.リオタール著)

殆どの人にとって「ポストモダン」は興味が無いことでしょう。 また、この議論も20世紀の問題でしかないでしょう? たまたま「ポストモダン」という言葉が頭にこびりついてしまったので、こういう遍歴をしてきたわけです。 その、遍歴も今回で一応の結末にな…

五本松の由来

多摩川を歩いているとふと看板があったりする。 たいしたモノではないが「少し」考えさせられる。 「五本松の由来 この松は、江戸から明治、大正にかけて、水防林として植林されたもので、以前から「下堰(したせき)の松」と称され、長く地域の人々に親しま…

2007年3月10日の歩き

なんとなく「多摩川」が好きになったようで、先週に引き続き「多摩川」へ行く 出発は8時12分、少し回復してきたが、まだ出足が遅い。 ただ、気候が随分暖かくなってきたのは嬉しい。 前回と異なり、まず「新青梅街道」へ、曲がるポイントは「環七」「中杉通…

八高線列車衝突事故

本日は多摩川の川べりを歩いたのですが、これを見つけてしまいました。 「八高線列車衝突事故 太平洋戦争終戦からわずか九日目の昭和二〇年(1945)八月二四日午前七時四〇分頃、ここ八高線小宮・拝島間の多摩川鉄橋上において、上り下りの旅客列車が正面衝…

唯識のすすめ(岡野守也著)

大乗仏教の思想の中で「唯識」というのがあり、その解説本。 前半はとても淡々としていて良かったのだが、後半になると「トランスパーソナル心理学」なる考え方が出てくる。 時代は進んでいるので、更に進化した形態があるという事なのだろうか? 「分別知」…

2007年3月3日の歩き

現在、月間60万歩を目標に歩いています。 2月は稼働日(?)が少ないので大変でしたが(なんとか)クリアしました。 さて、3月3日の歩きは結構地味でした。 結論的には、また「拝島駅」に行ってしまいました。 そのコースですが・・・ お家を出たのは10時10分ご…

自由論(JSミル著)

光文社が「古典新訳文庫」なるものを刊行している。 古典の名作を新訳し現代文で読めるようにとの事らしい「哲学・思想」や「人文・科学」などもどんどん出していくつもりらしい、そういう意味では注目しているところでもある。 さて、ミルという人の年譜を…

日はまた昇る(ヘミングウェイ著)

「誰がため・・・」にでも冒頭の詩を引用したので、今回もしてみる。 「世は去り世は来る 世は永久(とこなしえ)に長存(たもつ)なり 日は出で日は入り またその出(いで)し処に喘ぎゆくなり 風は南に行き又転(まわ)りて北に向い 旋転(めぐり)に旋(めぐ…

ラカン(フィリップ・ヒル著)

たまには、活字だけではなく一息つきたい時もあります。 そこで、出会ったのが本書「ラカン(beginners)」で、大きな文字と画をふんだんに使って解説してくれます。(ちくま学芸文庫にしては画期的?) 一応、目次を 序章:精神分析とは何か? 第1章:ラカ…

誰がために鐘は鳴る(ヘミングウェイ著)

冒頭のジョン・ダンの詩が良いと言う人がいた。 こんな詩だ、 なんびとも一島嶼(とうしょ)にてはあらず なんびともみずからにして全きはなし ひとはみな大陸(くが)の一塊(ひとくれ) 本土のひとから そのひとひらの土塊(つちくれ)を 波のきたりて洗い…