110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

哲学談義とその逸脱(田中美知太郎著)

本書は新潮選書1986年刊行のもの、著者の最後の作品となる。 この著者には、哲学を教えてもらっている。 本書でも、様々な問題についてコメントしている・・・しかし、明確な結論が出ることはない。 (例えば「合理性と合目的性について」) だから、本書を読み…

私の人生觀(池田成彬著)

本書は文藝春秋(新社)昭和26年刊行のもの、ちなみに定価は230円、奥付には著作者の印がある時代のものだ。 この著者なら文庫本などあるかと思って検索したがどうも出ていないようだ。 だから、もし古本屋で見つけたら私の様に買っておいて損は無いと思う・・…

東京裁判日本の弁明(小堀桂一郎編)

本書は「東京裁判却下未提出弁護側資料」という資料集から編者が抜粋して講談社学術文庫版で1995年に刊行したもの。 私には最近気になることがある、それは「第二次世界大戦」そして「敗戦」だ。 却って、戦争体験者や戦後の荒廃を知っている人は、それを「1…

ブッダのことば(中村元訳)

本書は岩波文庫版で読む。 仏教の一番古い聖典(スッタニパータ)の日本語翻訳版である、翻訳された本文とそれに匹敵する分量の訳注が付けられている。 本書は随分前に手に入れていたのだが読み進まずに積んであった。 当時は本書のような古い文献は、悪い意…

プラトンⅠ~Ⅳ(田中美知太郎著)

本書は岩波書店1979年から1984年にかけて刊行されたもの。 本書は名著だ、著者の晩年の作品であり、長年研究してきたプラトンに関しての(その)知識・知恵を思い切り開放したものだ。 手にしてみて「これは読まなければ」と緊張させる本は少ないが、本書は…

小僧の神様(志賀直哉著)

本書は岩波文庫版の短編集(全十一篇)。 志賀直哉は読んだことが無かった。 ここ数年の懐古的な読書のなかで名作と言われている著作を読む機会がある、本書はそのようなめぐり合わせで読んだ。 読んでみると判るのだが文書が良い、どう良いのかは評論家のよ…

借金依存症の国

日本と言う国が仮に(財政)破綻したとすると、どこの国が救済にのりだすのだろうか? そんな仮想問答を考えてみる・・・・ギリシャなどの場合はEUという(建前上かもしれないが)後ろ盾が有る。 アジアだから中国か?それとも、仲良くしてきたアメリカか? ・・・・…

世界国家

一時期グローバル化という言葉が流行ったが、究極的なもしくはイデア的な、お題目として「世界国家」というのがあったように思う。 これは、全世界がひとつの国家になれば(究極の)平和が実現するというものだ。 このとき、ふとよぎったのが、通貨はどうな…

物語批判序説(蓮實重彦著)

本書は1995年中央公論社刊行のもの、私は1990年初版の中公文庫版で読む。 このような本も学術系でない文庫で出ていたのですよね、まずはすこし驚きました。 内容は今更ながらなのですが、物語の虚偽性、ここでは「紋切型」という言葉が頻出しますが、それを…

前橋駅へ行く

このGWは、例年とは趣向を変えて、100Km程の歩きにしました。 目的地は、関東圏で県庁所在地の市まで行っていない2県(群馬県、山梨県)のうち、群馬県前橋市としました。 高崎市は、はじめて100Kmの歩きの目標にしたのですが、当時はそこまでで限界でした(…

虫類図譜(辻まこと著・画)

本書は1964年芳賀書店刊行のもの、私は増補されたちくま文庫版で読む(見る?」)。 辻まことという人は、山本夏彦の無想庵物語の索引に「辻まこと(本名一、辻潤と伊藤野枝の長男、イヴォンヌの最初の夫)」とある、ちなみに、山本夏彦の友(?)であったと…

思想の死相(仲正昌樹著)

本書は双風舎2007年刊行のもの。 この著者は良く各種思想を読み込んでいます、本書では、題名にあるように(?)、20世紀の既に故人となった哲学者・思想家9名(1名は生存)をピックアップして、わかりやすく紹介してくれます。 帯には「18歳から読める・・・・…