110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2007年5月の結果

2006年9月からの累積歩数は5、995、725歩になりました。 4000万歩に対して、15%になりました。 まだまだ、先は長いです。

戦争の罪を問う(カール・ヤスパース著)

彼の「哲学入門」は、何か良くわからなかったが(ハイデッカーは評価していたようだ、と「あとがき」に書いてあった)、本書は、とても切実に読めた。 丁度、1945年から1946年にかけての講義を書籍にまとめたもので、第二次世界大戦後、その主犯としてのドイ…

ヴェーユの哲学講義(シモーヌ・ヴェーユ著)

ヴェーユがロアンヌ女子高等中学で1933年10月から、翌年6月まで行った講義を、生徒のひとり、アンヌ・レーノー=ゲリトーが筆記したもの。 ここでは、ヴェーユは「教育指導要綱」とは別の独自の見解で講義を行っている。 当初、第一部を読むと哲学の基礎的な…

ピアジェ思想入門(市川功著)

構造主義の中に、ジャン・ピアジェという人がいる。 実は、この人については余り知らなかった。 もとより、最初ベルクソンの哲学に影響を受けつつも、哲学から抜け出し、自然科学的な手法で、生物学、心理学の研究を続けたから、今までの「思想」や「哲学」…

唯識の構造(竹村牧男著)

西洋に哲学があるのならば、東洋ではどうかという疑問がある。 確かに、「哲学」は西洋文化のものである事は間違いないが、それに比べられるものは無いのか? という事で、少し東洋思想に関して読み始めた。 それが、少し前に読んだ、中村元氏の「龍樹」であ…

偶然性と運命(木田元著)

どちらかというと著者で選んだ本、「偶然性」とか「運命」について、それぞれ哲学者の、考え方を完結に説明しながら、どういう風に捕らえていくか、一つの思案を出している。 この題名で、3回執筆に挑戦し、2回失敗している、結論の出ない問題なので、一つの…

相模湖駅へ行く(2007年5月20日の悔しい歩き)

5月20日と5月26日はどちらも「相模湖駅」へ行きました。 ルートは、どちらも違いますし、結果も随分違う歩きになりました。 さて、「山梨県」は、なかなか行きにくい場所です。 関東一都六県の中で、直接歩いて行っていないのは、「栃木県」と「山梨県」です…

実存からの冒険(西研著)

1989年の著作、ニーチェ→ハイデッガーというつながりで実存主義を易しく解説する本(だと思う)。 ハイデッガーについて、興味が有り、しかも著作をもいくつか読んでいるのに、「存在と時間」を何故か避けて通っている私にとっては、本書の第二章はとても参…

共通感覚論(中村雄二郎著)

1979年に刊行さててその後文庫本化された著作。 既に30年近くたっているのに今読んでも良い。 話は大幅にそれるが、立花隆氏のコラムで「『哲学』の崩壊は憲法問題」というのがあり、憲法問題については置いておいても、哲学という学問自体の人気がなくなっ…

宮沢賢治(見田宗介著)

先回の「気流の鳴る音」と同一人物による作品(著者名は変えている)。 本作は、高校生向けに書かれているということだが、却って、説明が詳しくて分かりやすい。 初刊行は、1984年の作品だが本書の目論見とおりに、その当時この本を読んだ高校生は(いると…

気流の鳴る音(真木悠介著)

この本は1977年に発刊されたもので、内容については少し古い時代を反映しているところもある。 しかし、この「気流の鳴る音」で取り上げられたカスタメダそしてメキシコ・インディオの話には共感できるところが多い、それは「読書」や「思想」についてではな…

カントの時間論(中島義道著)

カントについては実は余り知らない、知らないのに、その解説書を読むという矛盾に陥っているが、「純粋理性批判」を一度投げ出した身としては、のんびり外堀を散策するのも良いのだろう。 いわゆる、私(主観)がどのように時間を捉えるのかということに関す…

西田幾多郎Ⅰ・Ⅱ(中村雄二郎著)

中村雄二郎の西田幾多郎氏についての著作を読む。 西田氏については、浅学ながら「善の研究」について「宗教」の章があることに興味を持っていた。 今回、中村氏とは、その読み込みの深さが大きく違うにせよ、共通の感覚を持っていることに気づいた事が、一…

「かんたんRuby on RailsでWebアプリケーション開発」備忘録(その2)

本当は10日で終わるのが紆余曲折してまだ終わりません。 私にとっては「かんたん」ではなさそうです。 さて、今回は、第5日目「アプリケーションの日本語化」のところで、「gettext」というソフトを利用するのですが、現在の最新の1.9で本書の手順通り行うと…

奥多摩へ行く2(2007年5月12日の歩き)

本日は、2回目の「奥多摩駅」行きです。 前回は、確か雨降りの中を行きましたが、今日は晴れで、以前と比べて良い状況です。 また、前回は日が短い時期で「奥多摩駅」は真っ暗でした、今回は、日も長くなりましたので、明るいうちに到着したいと思いました。…

龍樹(中村元著)

龍樹(ナーガルジュナ)の思想を解説したもの。 私としては「空」なるものがおぼろげながらにつかめたかという感じがします。 般若心経は「無」が多いのお経ですが、その中でも「空」が出てきます。 「無」は「有」と対をなすのに、「空」は対がありません(…

「名づけ」の精神史(市村弘正著)

市村氏の著作を2作ほど読ませてもらった。 小編であるので、連続して読んだが、機会があれば読み直して見たいと思う。 いくつかの詳論が並んでいるが、表題の『「名づけ」の精神史』が一番興味を引く、「名前」をつけるという事は、一種の「差別」である、そ…

小さなものの諸形態(市村弘正著)

宇野邦一氏の著作を読んでいて、市村弘正氏に、興味を持ったものの、実は、その後忘れていた。 それが先日、susuayushinさんがコメントを書き込んでいただいたので思い出した。 読書は、日常の生活と同じく、日々何かが(それが、重要な事であれ、些事であれ…

生きがいについて(神谷恵美子著)

既に読まれている方も多いのではないでしょうか? まさに、偶然に、古本屋にありました。 しかも、105円でした・・・嬉しくもあり、悲しくもありです。 運命論とかは信じませんが、これはまさに「読みなさい」という啓示だったのでしょう。 内容は素晴らしいで…

レヴィ=ストロース(エドマンド・リーチ著)

レヴィ=ストロースに関する入門書、構造主義に関して、レヴィ=ストロースの名前は避けて通れないが、社会人類学者のリーチは、彼の業績を、ある面では批判し、ある面では取り入れている。 すなわち、構造主義の目指した、一般的な関連付けには、限界がある…

つつじを見に行こう(2007年5月4日の歩き)・・・その2

さて、前回は、群馬県を渡ったところまででした。 「昭和橋」で利根川を渡るとそこは「群馬県明和町」です。 少し、歩くとどうしても、気になる表示があったので行きました。 「川俣事件衝突の地」です(物騒な名称ですね)。 明和町指定史跡 川俣事件衝突の…

声と現象(ジャック・デリダ著)

デリダの著作を上げられるのは嬉しいことです。 ただ、とても「読んだ」とは言えません、最後までたどり着いたというところでしょう。 フッサールの「現象学」に対する批判・検証ですから、大元の「現象学」が分からないと、どうにもならないというところで…

累積4000万歩を目指す

そのうちに「読書」の方にのると思いますが「四千万歩の男(井上ひさし著)」にちなんで、私も4000万歩に挑戦したいと思います。 伊能忠敬には、高尚な目的意識があったのですが、私には「何もありません」。 ただ、何かが見えてくる数値ではないかと思いま…

エチカ(スピノザ著)

この本をどう評価しよう? ドゥルーズの「スピノザ」にもあるように、本書は、哲学の知識が無くても読むことができる。 当初「幾何学的秩序に従って論証された」という副題に幻惑されて「難しい」という先入観に支配されたからでもある。 まさに、「第一種の…

つつじを見に行こう(2007年5月4日の歩き)・・・その1

群馬県館林と言えば「つつじ」が有名です。 しかし、今までつつじを見に行く機会(気持ち)が、なかなか起きなかったのです。 今回は、そのつつじを見に行くという事で、館林まで歩きました。 館林までは、以前、一度歩いているので、歩きとしては「おさらい…

スピノザ(ドゥルーズ著)

そういえば『エチカ』も積んでいました。 でも、読むのは難しそうだし・・・。 ということで、まず入門書を読みました。 ドゥルーズの著作です。 特に、第四章にある「『エチカ』主要概念集」は、『エチカ』の読書の役に立つことでしょう。 また、ドゥルーズが…

意味の深みへ(井筒敏彦著)

「意識と本質」は良い本だったので、井筒氏の他の著作があれば読んでみたいと思っていた。 本書は、「言語」について、その「意味」を探求していくという事が、全体を通しての論じられる一つの柱になる。 まず、異文化、異言語間でのコミュニケーションが可…

プリズメン(アドルノ著)

最近「気負って」買った本が積みあがってきたので、一生懸命読もうとしている。 しかし「気負って」買った本は、なかなか読み進まない。 本書もその類いのひとつだ。 1955年に刊行されたエッセイで、時代感覚的には、20世紀初頭から戦後にかけての状況がうか…