110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

オネーギン(プーシキン著)

本書は岩波文庫版で読む。 今時、ロシア文学を読むとは思わなかったが、やはり、読んでみると不思議な感動を受ける。 すべての人にお勧めするという自信は無いが、死ぬまでには一度触れても良いのではないだろうか。 中年にして、文学に目覚めたわけか・・・少…

知恵の樹(ウンベルト・マトゥラーナ,フランシスコ・パレーラ著)

本書は1987年朝日出版社刊行のもの、私は1997年のちくま学芸文庫版を読む。 本書はオートポイエーシス(自己創出)という生物学の考え方から出発して人間社会へ至る、(この)世界を概観する著作、そして一部批判的でもある。 最近、この手の生物学的な考え…

富士(武田泰淳著)

本書は1971年中央公論社刊行のもの、私は1973年初版の中公文庫版を読む。 遅ればせながら、武田氏のファンになったのだが、やはり氏の作品として特徴的な「ひかりごけ」「司馬遷」についで、本作「富士」は読んでみたかったものの一つだ。 そして、なかなか…

歴史とは何か(E.H.カー著)

本書は1962年岩波書店(岩波新書)刊行のもの、私は2003年第68刷を読む。 「歴史とは何か」を表題とする、著者の講演録、実際の講演は1961年に行われたものだが、現在読んでも引用されている、歴史家(学者)や資料の年代が約50年程シフトするだけで、今もっ…

永遠回帰の神話(エリアーデ著)

本書は1963年第1刷が未来社より刊行されたもの、私は1983年の第12刷を読む。 エリアーデは宗教研究家というイメージがある、本書でも神話的な世界から、人類がどのように考えてきたか、その精神史的なところを追求して言うという小冊で、キーワードは副題に…

本能のジュークボックス(日高敏隆・戸川幸雄著)

本書は1979年朝日出版社刊行のもの「LECTURE BOOKS」と言うシリーズの中の一冊、2人の著者の対話形式の著作だ。 そして、本書の副題は「動物行動学講義」となっていて、動物行動学とはなんぞやという話から始まって、動物の世界の様々な話が繰り広げられてい…

風船爆弾(鈴木俊平著)

本書は1980年新潮社刊行のもの、私は1984年初版の新潮文庫版を読む。 第二次世界大戦で「風船爆弾」が使われて事はご存知の方も多いだろう、アメリカの原子爆弾に対して、風船爆弾は「竹やり攻撃」のような下等なもの、非理性的なものの様にも思える。 しか…

十牛図(上田閑照・柳田聖山著)

本書は筑摩書房1982年刊行のもの、現在はちくま学芸文庫版で読める。 本年は丑年なので、もう少し早く紹介したかったが、意外と読むのに手間取った。 そして、今年の年賀状は、この十牛図の「騎牛帰家」の図であった。 この図(騎牛帰家)は、自分を見つけて…

ヘラクレイトスの火(E.シャルガフ著)

本書は1980年岩波書店刊行のもの、私は1990年同出版社の「同時代ライブラリー」収録のものを読む。 著者のシャルガフは、2重らせんで遺伝子の構造が解析されたときに、その関係者として現れる。 しかし、本書はそういう視点からよりも、自然科学というものの…

動物にとって社会とはなにか(日高敏隆著)

本書は1966年至誠堂刊行のもの、私は1977年初版の講談社学術文庫版を読む。 日高氏の著作は個人的には好きで、また、刊行年度が古いので、安価に手に入れることができるのが嬉しい、「最先端の情報でない」という評価をする方もあろうが、新旧の情報がそのま…

やられた・・・・

以前から、たまにあるのですが、歩数計というやつは、正しくセットしないと上手くカウントをしてくれません。 また、どうも電池切れが近づくと、感度が鈍くなるようで、よく歩くコースだと標準的な歩数は分かっているので、帰ってカウントを見ると「あれ?意…

唯物史観と国家論(廣松渉・山本耕一著)

本書は1989年講談社学術文庫版で読む。 最初の論文が難渋だったので、長く読みかけを積んでいたのだが、何故か突然読み始めた。 マルクス・エンゲルスの思想を参照に、物象化論を基にした国家そのものに対する幻想論・批判論を展開する。 マルクスの哲学思想…

進化とは何か(今西錦司著)

本書は1975年講談社刊行の「今西錦司全集」からの抜粋、講談社学術文庫版を読む。 本書は、今西進化論と呼ばれるものの概論的な説明で、ダーウィンの進化論やラマルクの進化論と対比する形で論が進む。 特に、ダーウィンの進化論のある種の矛盾や、その理論…

自我の起源(真木悠介著)

本書は1993年岩波書店刊行のもの、そして、ついに2008年11月岩波現代文庫版が出た(いつか、本文庫版が出ないかと書いたことがあるが、見事に当たった・・・まぁ時間の問題だったのかもしれないが)。 さて、本書については、「お気に入りブログ」・・・・「読書の…

能力構築競争(藤本隆宏著)

本書は中公新書2003年版、帯には「週間ダイタモンド2003年経済書ベスト30のうち第2位」だそうです。 副題には「日本の自動車産業はなぜ強いのか」とある、現状としては、現在自動車産業は厳しい状況だが、つい一年程前はものすごい活況を呈していた。 本書は…

素顔のアインシュタイン(H・デュカス、B・ホフマン編)

本書は東京図書刊行1979年刊行のもの、リサイクル資料(書籍)であった。 アインシュタインという人・言葉について、凡人は興味を持ってしまう。 本書では、アインシュタインの書簡などの中から幾つかを抜粋して紹介してくれる。 私的には、以下のものが秀逸…

ロシア的人間(井筒俊彦著)

本書は1978年北洋社刊行のもの、私は中公文庫版で読む、ただし、本書が執筆されたのは1953年であり、井筒氏の著作としては初期のもの。 井筒氏の思想もその後ロシア文学からは離れていったので、後で振り返る異色の作品という事も言えるだろう。 19世紀、ロ…

2008年12月までの累計

2008年12月までの累計歩数は、18,797、395歩で、達成率は47%となりました。 年間歩数は、7,918,411歩でした。 この歩数記録を始めてから、3年目になりました、2009年には、折り返しを迎えられます。 しかし、まだまだ先は長いですね。 ただ、人生よりは全然短…

2009年あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。 本年も相変わらずペースでやっていこうと思いますのでよろしくお願いします。 一昨年にもやりましたが、今年も再び、終夜営業の交通機関を利用して、高尾山口~高尾山~城山~景信山~陣馬山~高尾駅というコースを巡りま…