ロシア的人間(井筒俊彦著)
本書は1978年北洋社刊行のもの、私は中公文庫版で読む、ただし、本書が執筆されたのは1953年であり、井筒氏の著作としては初期のもの。
井筒氏の思想もその後ロシア文学からは離れていったので、後で振り返る異色の作品という事も言えるだろう。
19世紀、ロシア文学の著作者を紹介するもので、当時のロシアの精神史を伺う事ができる。
そして、何故社会主義へ移行したのか、その理由のひとつが浮かび上がるような気がした。
しかし、本書の解説にもあるように、本書で紹介されたような、知識階層の思想傾向はこのようだが、多くの民衆は全然異なる生活・思想だったようだ。
時代を象徴する思想は、知識層の志向性が反映されるのだが、その時の民衆が、実際にはどのような生活・思考を持っているかは、異なる視点・調査が必要なのだろう。
さて、最近、「蟹工船」がよく読まれているらしい、ある意味、現在の生活・文化に対する閉塞感が強くなっているのだろうか、また、それに伴って「資本論」を読む人も増えているようだ(これは良いことではある)、次には、19世紀のロシア文学が注目されるかもしれない。
そんなことを考えてしまった。
井筒氏の思想もその後ロシア文学からは離れていったので、後で振り返る異色の作品という事も言えるだろう。
19世紀、ロシア文学の著作者を紹介するもので、当時のロシアの精神史を伺う事ができる。
そして、何故社会主義へ移行したのか、その理由のひとつが浮かび上がるような気がした。
しかし、本書の解説にもあるように、本書で紹介されたような、知識階層の思想傾向はこのようだが、多くの民衆は全然異なる生活・思想だったようだ。
時代を象徴する思想は、知識層の志向性が反映されるのだが、その時の民衆が、実際にはどのような生活・思考を持っているかは、異なる視点・調査が必要なのだろう。
さて、最近、「蟹工船」がよく読まれているらしい、ある意味、現在の生活・文化に対する閉塞感が強くなっているのだろうか、また、それに伴って「資本論」を読む人も増えているようだ(これは良いことではある)、次には、19世紀のロシア文学が注目されるかもしれない。
そんなことを考えてしまった。