110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

働くことがイヤな人のための本(中島義道著)

本書は2001年日本経済新聞社刊行のもの、私は日系ビジネス人文庫版で読む。 たぶん私も「働きたくないのだろうなぁ」と思ったので、本書を読む。 小賢しい意見だと思われるだろうが、本書を一読して何が言いたいのかをつかめる人は少数派だと思う、少なくと…

ガリヴァー旅行記(スウィフト著)

本書は岩波文庫版で読む。 童話で読んだり、聞いたりしたことがあるので、知ったつもりになっているのが本書であり、実際のもの(翻訳版でも)を読むと、とても驚ろかされることになる。 一言で言うと(冷酷に)人間の醜さを批判するというものだ。 だから、…

政治学(矢部貞治著)

本書は勁草書房より昭和24年初版刊行されたもの、私は昭和50年第41刷(!)で読む。 講談社学術文庫に「政治学入門」という同著者の作品があり、その中で本書の存在を知り、ほうぼう探して入手したのだ。 しかし、入手してから読了までは、大分時間がかかっ…

儀礼のオントロギー(今村仁司・今村真介著)

本書は講談社2007年刊行のもの。 儀礼というものが、現在も存続し、それが非合理的であろうと、その社会を維持する一つの機関として働いているというもの。 本書で論述されていない観点から述べれば、産業構造を考えるに、生活や生存に直接関係のある(と思…

人間の学としての倫理学(和辻哲郎著)

本書は、昭和9年に岩波全書として刊行されたもの、私は、岩波文庫版で読む。 本書の様に刊行後数十年を経過している著作を評価するのは意外と難しい。 その後の、本著者の思想的変遷、それも戦時中の立場などが、1つの評価基準として割り込んでくるのだ、そ…

猫って・・・

先日の夜、自宅へ帰る道でふとあるモノに気づいたのです。 それは、自宅の屋根から出ている電線の上をよじ登って、電柱の上にある変圧器(トランス)の上に消えたのです。 暗くてよく見えなかったのですが、外形は猫型でした。 まさか、変圧器の上がそいつの…

日本語は国際語になりうるか(鈴木孝夫著)

本書は講談社学術文庫版(1995年初版)で読む。 本書の趣旨は面白い、当時経済大国としてまさに日の出の勢いであった日本国は、その大国としての役割を果たすために、日本語の国際語化を進めるべし・・・斯様な啓蒙書である。 現在の日本の現状からすると、溜息…

僕らが作ったギターの名器(椎野秀聰著)

本書は新潮新書版で、本ブログでは珍しくお借りした本。 この著者の名前は、随分前から知っていたことになる、H.S.Anderson、E.S.P、PACO、ベスタグラハム等々の楽器ブランドは、今思うと懐かしい。 しかも、悪いことに、その当時は、私にとって高額で手が出…

新版 醜い日本人(大田昌秀著)

本書は岩波現代文庫版で読む。 「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」を読んでみて、沖縄の問題を意識することが出来た。 それでは、沖縄の人はどう考えているのだろうか? そういう書籍のうち一つが本書であろう。 若泉敬も、一度、自殺を考え、それが未遂に終わ…

流れる(幸田文著)

本書は新潮文庫版で読む。 著者は、幸田露伴の娘、読んでみたのは、山本夏彦の影響からだ。 いわゆる花柳界の一端が本書から覗えるのだ。 当然、文章は私の好みである。 そして、なによりも感心したのは、著者の心情・人間性を見抜く目だ。 そこは、芸者置屋…

イスラーム思想史(井筒俊彦著)

本書は中公文庫版で読む。 この中には、昭和16年、昭和23年、平成元年の各論文が含まれている。 また、本書では初期イスラム史を取り扱っている。 さて、何故宗教に関する歴史などを読むのか? ・・・宗教に興味があるのか? そんな問いを、自問してみる、答え…

他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス(若泉敬著)

本書は文藝春秋社1994年刊行のもの、私は安価に手に入る新装版を読む。 本作は、読むべき本だ・・・と思う(楽園の民とならないためにも)。 これは、普通の状況では考えられない、日本の外交の成功事例ではないのか? それとも、密約があることによる失敗事例…

東條討つべし(室潔著)

本書は朝日新聞社1999年刊行のもの。 副題は「中野正剛評伝」とありこちらが本作の内容を適宜に表している。 中野正剛は、ヒットラーを礼賛したり、開戦を主張したりしているので、過激なナショナリストの様に思えてしまう、そして、第二次世界大戦中に割腹…

アジェの写真

ベンヤミンの「写真小史」に取り上げてあった、アジェの写真集を入手しました。 Paris: Eugene Atget: 1857-1927 (Taschen 25th Anniversary Edition) まず、写真がモノクロ(もしくはセピア)なので色彩感がないことと、構図の中に人を入れて写さないので、…

モンゴル紀行(司馬遼太郎著)

本書は、「街道をゆく」シリーズのひとつ、朝日文芸文庫版を読む。 著者がモンゴルを訪問したのは1970年代で、当時のソ連経由であった。 当時の、ソ連の交通事情には苦言を呈しつつも、その後の、モンゴル国内の滞在は、とても素敵な体験であったようだ。 そ…

2010年9月までの累計

2010年9月までの累計歩数は、33,520,882歩で、達成率は83.8%となります。 例年通り9月からの3ヶ月は「強化月間」なのですが、今年は、特に力むこともなく、おとなしく始めました。 とりあえず、9月は達成できましたが、前半は猛暑が残りなかなか大変でした、…

ドストエフスキー(ルネ・ジラール著)

本書は法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)1983年刊行のもの(原書は1963年刊行)。 ドストエフスキーの小説をから、著者の「三角形的欲望」論を展開するというものらしいのだが、私は単純に「地下室の手記」に比喩される、ドストエフスキーの精神の「地…