流れる(幸田文著)
本書は新潮文庫版で読む。
著者は、幸田露伴の娘、読んでみたのは、山本夏彦の影響からだ。
いわゆる花柳界の一端が本書から覗えるのだ。
当然、文章は私の好みである。
そして、なによりも感心したのは、著者の心情・人間性を見抜く目だ。
そこは、芸者置屋という玄人の世界であり、そこには、より深い(えぐい)人間性が渦巻くところであると思う。
そこに、素人の著者が入り込んで、わけ隔てなく生活するということ、そのことは、著者の人間経験の深みを表しているように思うのだ。
本書の解説では、本作をハッピーエンドの小説と評しているが、私見ながら、そこには意義を申したい、この著者の感覚ではそのような、気の緩みは全く無いことだろう。
今日の幸福も、明日はどうなるかわからない、人生をある意味達観して生きている、その姿がとても印象に残るのだ。
幸田文という人は、確かに生きている人(実存)なのだ。
著者は、幸田露伴の娘、読んでみたのは、山本夏彦の影響からだ。
いわゆる花柳界の一端が本書から覗えるのだ。
当然、文章は私の好みである。
そして、なによりも感心したのは、著者の心情・人間性を見抜く目だ。
そこは、芸者置屋という玄人の世界であり、そこには、より深い(えぐい)人間性が渦巻くところであると思う。
そこに、素人の著者が入り込んで、わけ隔てなく生活するということ、そのことは、著者の人間経験の深みを表しているように思うのだ。
本書の解説では、本作をハッピーエンドの小説と評しているが、私見ながら、そこには意義を申したい、この著者の感覚ではそのような、気の緩みは全く無いことだろう。
今日の幸福も、明日はどうなるかわからない、人生をある意味達観して生きている、その姿がとても印象に残るのだ。
幸田文という人は、確かに生きている人(実存)なのだ。