110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

科学と方法(ポアンカレ著)

本書は岩波文庫版で読む。 本書は哲学であろうか、どうもそのように読めるのだ。 原書は1908年に刊行されたから、未だ、哲学色が残っているのであろうか。 著者は、最後の「総括」という章にて、本書の目的は学者が研究するために選び出す題材を選ぶための指…

天馬空をゆく(神坂次郎著)

本書は昭和63年光風社出版刊行のもの、私は、新潮文庫版で読む。 「金谷道人御一代記」という絵巻物風の自伝がある、これを底本として、現代人に分かるように著してくれたのが本書である。 この金谷上人という主人公だが、相当生臭い坊主であり、風狂と自称…

壁を破る言葉(岡本太郎著)

本書はイースト・プレス2005年(初版)刊行のもの、この本は岡本太郎氏の語録であり、また、すぐ読める本でもあるので、ここに取り上げるべきか悩んだが、本書におさめられた一つの言葉が気になったのでとりあげた。 それは、芸術という章立ての中にある 「…

読書の技法(佐藤優著)

本書は、2012年東洋経済新報社刊行のもの。 超人的なスピードで本を読む速読法の本は何冊買ったことだろう、未だに、その境涯にはほど遠いのが現状だ。 本著者も速読術を会得して、大量に本を読む事ができると他の著作に記してあったが、本書では、その方法…

悪の哲学(中島隆博著)

本書は、筑摩選書2012年刊行のもの。 知人に「私は性悪説(韓非子かな)の立場を取る」と言う人がいて、それが、どこか気になっていたのだろう、本書の題名を見て思わずつかんでいた。 副題に「中国哲学の想像力」とあるように、中国の思想(哲学)を中心に…

妊娠小説(斎藤美奈子著)

本書は1994年筑摩書房刊行のもの、私は、1997年初版のちくま文庫版で読む。 本書は著者のはじめての評論作品とのことだ。 そもそも、題名はよく考えるとおかしい、本書で取り扱うのは妊娠中絶小説がほとんどであるので、中絶小説としたほうがなじむように思…

音楽の基礎(芥川也寸志著)

本書は岩波新書版(1971年初版)を読む。 音楽の基礎ならば、義務教育の音楽や、高校の音楽でも習ったつもりだったのだが、もう50にもなって読んだ本書が一番身に浸みた。 それは、目が出ないながらも弾き続けたギターがやっと手になじんできたからだ。 音楽…

実存主義(松浪信三郎著)

本書は岩波新書1962年刊行のもの、定価130円、私は55円で古本屋から購入、これは安いんだか高いんだかよくわからない(50年前の本だ、感慨深いな)。 確か、プロフィールに実存主義なる言葉を書いた記憶がある、しかし、本当の意味での実存主義とは何かとい…

断章101、102

この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そうい…