110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

実存主義(松浪信三郎著)

 本書は岩波新書1962年刊行のもの、定価130円、私は55円で古本屋から購入、これは安いんだか高いんだかよくわからない(50年前の本だ、感慨深いな)。

 確か、プロフィールに実存主義なる言葉を書いた記憶がある、しかし、本当の意味での実存主義とは何かというと、説明が難しいのだが、本書ではそれを分かりやすく解説してくれる。
 しかし、現在、実存主義を教養として以外に注目している人は少なかろう、埋もれてしまう宿命の本ではある。
 でも、実存主義は身近なところにあった「世界に一つだけの花」のまさにサビが実存なのだ。
 それを、アイドル(イデア)であるところのSMAPが歌うという、逆説的なところも、まさに、実存主義なのだ。
 ということで、おしまい。

 ちなみに、この本は痕跡本で、しおりのかわりに昭和41年8月15日の朝日新聞(夕刊)がはさんであった。
 記事の一部を抜粋すると・・・
 「婦人に短刀つきつける 自由が丘 十五日午前四時ごろ、東京都目黒区自由が丘一ノ二五ノ二ガラス屋藤吉礼次郎さん(三三)方に強盗がはいり、階下四畳半に寝ていた母が茶ダンスのひきだしにあった千円札やバラ銭など約四千円を出すと、男はもぎ取って路地側の窓から逃げた。礼次郎さん夫婦や他の家族は二階に寝ていて気づかなかった。碑文谷署の調べでは、男は五十歳ぐらい、身長一メートル六十センチ前後、ジャンパーを着た工員風だったという。」

 お心当たりの方は、ご通報を、ご生存なら百歳にちかいはず。