110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

不機嫌の時代(山崎正和著)

本作は1976年に新潮社から刊行されたもの、私は、1986年に講談社学術文庫版になったものを読んだ。 さて、本作は、明治40年ごろ、日露戦争終結後の、代表的な文学者(鴎外、漱石、荷風、直哉)の作品の中に共通にあるとする「不機嫌」というものを描いていく…

読書するときの灯り

読書するときの電気スタンドに最近は白色のものを使っていたのですが、たまたま(実は、コンセントが抜けかかっているのに気づかずに、電球が切れたと思ったのですよ、で近くの西友へトコトコと歩いていって買ってきた)、今日(昔ながらの)黄色に変えてみ…

社会心理学入門(我妻洋著)

本書は1981年一粒社から「社会心理学諸説案内」として刊行されたものが、講談社学術文庫で上記題名に変更されたものを読んだ。 本書は、文庫判では上下に分かれているのだが、その間におよそ一ヶ月の間隔があり、上巻は記憶のかなたに飛んでしまった。 うつ…

〈在る〉ことの不思議(古東哲明著)

勁草書房1992年の刊行。 ハイデッガーの「現存在」と「存在(在る)」についてなかなか区別が付かなかったが、本書はそれに丁寧に答えてくれる。 後半の仏教や能の世界との関連については、私には、理解できなかった。 古東哲明という人がどういう著作をだし…

日本史を読む(丸谷才一・山崎正和著)

本書は1998年に刊行されたもの、現在は、中公文庫で読むことができる。 丸谷才一、山崎正和両氏に興味をもったのは、「読書のあしあと」で山崎氏の「社交する人間」という著作の紹介を受けて、その書籍を探しているうちに、この山崎氏と丸谷氏が、良く対談し…

敗北の二十世紀(市村弘正著)

本書は1998年世織書房から出版されたものを、増補して、ちくま学芸文庫として刊行されたもの。 市村氏の著作は、私にとっては信頼して読むことができるもので、このように文庫本化されるのはありがたい。 実際にお読みになるとわかるが、市村氏の思想や文体…

人間的自由の条件(竹田青嗣著)

本書は2004年講談社刊行のもの。 近代から現代に通じる基礎的な考え方の柱として、表題にもある「人間的自由」を考察する。 それを考える時、近代哲学として忘れ去られた、ヘーゲルの思想が浮上してくる。 ヘーゲルの哲学は「人間的自由」を中心にしていると…

歩くことと読書

本当は、「歩き」というカテゴリに入れても良かったのかもしれないのですが、まぁ「たわいもない事」なのでここに書いています。 本来、「歩く」ということと「読書」の間には、あまり因果関係はなさそうに思えます。 「歩く」とともに「読書」する「歩き読…

思考のレッスン(丸谷才一著)

本書はとても良い本です。 既に読まれた方もいらっしゃるでしょう。 丸谷氏は、山崎正和氏の本を追いかけているうちに共著しているのがあることで、興味を持ちました。 本書は、文春文庫版で読みましたが、本の読み方、文章の書き方、そして、考え方など、表…

時間論(中島義道著)

本書はちくま学芸文庫への書き下ろし2002年刊行、以前、中島氏の氏「カントの時間論」を紹介したが、本書もカントの時間論を核として、ベルクソン、大森荘蔵の時間論を批判しながら、独自の時間論を展開する。 この中で展開される「過去中心主義」については…

レトリックの記号論(佐藤信夫著)

本書は1985年に「レトリックを少々」という書名で新潮社から刊行されたものを、表題の様に改題されて講談社学術文庫版(1993年)で刊行されたものを読んだ。 佐藤氏の、レトリックシリーズは、読むとためになる、読後に、小説などのテクストを読むと、今まで…

ポアンカレ予想(ジョージ・G・スピーロ著)

数学は全くダメなのに、数学の難問を解いたという本は何故か読んでしまう。 本書の「ポアンカレ予想」も、そのひとつで、以前には、「フェルマーの問題」「ケプラー予想」などの著作も読んでしまった。 この手の本は、大抵が、問題を解決した「当の本人」に…

四千万歩の男(井上ひさし著)

本書は週刊現代に昭和52年(1977年)から昭和58年(1983年)まで連載されたもの、現在自分が歩数目標にしている「4000万歩」は本書にちなんでいる。 2008年に入ってから、読書の更新がなかったのは本書のおかげ様で、昨年、第一巻を読んだ後、残りの四冊を一…

2008年1月3日の歩き

明けましておめでとうございます。 今年も、身近なところを歩き回りたいと思います。 昨年は、(1)100km歩行、(2)月間100万歩、(3)スリーデーマーチの50kmコース完歩と歩きの方は充実していました、今年は、更に行動範囲を広げていきたいと思います。 今年の…