110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

逝きし世の面影(渡辺京二著)

本書は葦書房から1998年に刊行されたもの、その後平凡社ライブラリー版として再発行された。 本書は古書で入手したが、随分と版を重ねているので、読まれた方も多いことだろう。 (ちなみに、葦書房版を、1度BookOffで見かけたことがある、既に持っていたの…

銀の匙(中勘助著)

本書は岩波文庫版で読む。 本作は、あちこちの古本屋で見かけることが多く、何故だろうかと訝っていた。 それが、先日「中勘助随筆集(岩波文庫)」を読んでみて、その独特な文体に感動し興味を持った。 だから、本編は名作なのだと確信して読むことが出来た…

現象学の意味(フランシス・ジャンソン著)

本書はせりか書房1967年刊行のもの。 この著者はどこかで見た名前だと思ったが、「革命か反抗か(カミューサルトル論争)」の火付け役でこの2巨匠の間に埋もれたのだが、議論としては一番活発であった人だ。 いまさら現象学というわけでもないと思うし、私が…

沙門空海(渡辺照宏・宮坂宥勝著)

本書は1967年筑摩叢書版として刊行されたもの、私はちくま学芸文庫版で読む。 空海という名前は知っていても、そして、真言宗の宗祖だと知っていても、お遍路さんでお馴染みでも、本来の姿はあまり意識していなかった。 だから、本書が安価だったので読んで…

ザ・フェデラリスト(A.ハミルトン・J.ジェィ・J.マディソン著)

本書は岩波文庫版で読む、本書はアメリカの政治思想史上第一に上げられる古典だということ、アメリカ連邦憲法案の啓蒙のために書かれたものだ。 ちなみに岩波文庫版は抄訳版なので、原本の全編を収めていない。 本書を読んでいると、例えば、今後、日本でも…

どうしよう?

前々回に、日中関係について「本当の外交」という言葉を使ったが、残念ながら遺憾な方向に進んでいる。 当然、外交についてスキルのある人はいるのだろうが、それが上手く利用されていないようだ、外交は国内法ではない、もっと端的に言えば、軍事力も含めた…

家出のすすめ(寺山修司著)

本書は角川文庫版で読む。 この著者のものはとても好きなのだが、現在の社会状況とは少し違和感があると思う。 そして、寺山修司⇔マルキ・ド・サドという構図も覗える。 いや、サド⇔カントということが書いてあった著作もあったことを思い出す。 どういうこ…

詩・ことば・人間(大岡信著)

本書は講談社学術文庫版(昭和60年初版)で読む。 言葉についての考察は非常に重要なものだと思う、それが、手軽に利用できることが禍してなのか、言葉の存在がどんどん薄まっていってしまう傾向にあると思うのだ。 それは、古臭い思想だが、人間の疎外感と…

禅定院史

本書は仏教と文化社より平成9年に刊行されたもの、ちなみに非売品とある。 本書が手元にあるのは、近くの図書館でリサイクルに出たからで、その時は、各地の「××史」なるものが多数あったのだが、肉厚なそれらの本を読む苦労よりも、薄手な本書の方が気楽に…

小火(ぼや)でよかった

何か煙たいな・・・・と思ったら、ボヤでした。 それも、隣のアパートのごみ箱が燃えていたのでした。 幸い、早く119番通報してくれた人がいたので、ひとまず助かりました。 なにしろ、そのゴミ箱から一番近い構造物が当家なのですから。 とにかく、こういう事件…

日中関係について

沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)近くで中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で緊張が高まっているが、ここでの対応で妥協してはいけないと思う。 現在、日本経済が中国に依存している比率が高いとは言えども(敢えて)そう思う。 ちなみに、米英…

渋江抽斎(森鴎外著)

本書は岩波文庫版で読む。 本書は著者の代表作の一つであると言われる、そして、その特徴は、特徴のなさだということにある。 解説を読むと、本書ではそれまでの小説の手法ではなく、歴史を淡々と記述していくという客観的な作品に転じているという。 なるほ…

閨房哲学(マルキ・ド・サド著)

本書は河出文庫版で読む。 確かに本作は問題作だ、ヒューマニズム(人間中心主義)にして、快楽主義(エピクロスとは違う)、そして極端な個人主義とも言えそうだ。 そして、現代の法律から見ると、女性の差別や殺人に対する寛容などが目に付くのだ。 しかし…

人格の精神分析学(R・フェアベーン著)

本書は講談社学術文庫版を読む。 フロイトにより始まる精神分析の手法を批判的に分析し、その機能・概念を拡大してより現実的な適用を目指すという著者の手法に関する論文集。 エディプスコンプレックスの出現よりも、更に遡り、育児期の母親・乳房との関係…

俳句(阿部筲人著)

本書は講談社学術文庫版で読む(1984年が初版)、ちなみに著者名は「あべしょうじん」である。 濫読をしているので本書の様なものに出会うことがある、俳句に興味があったわけでもなく、更に、こんな分厚い本を終わりまで読むかというと、そういう自信もなく…

文學者となる法(内田魯庵著)

本書は昭和46年財団法人日本近代文学館刊行のもの、これは「特選 名著復刻全集」の中の一冊、そういういきさつなので、本書は、当初「右文社」から刊行されたものを忠実に再現(復刻)したものと思う。 だから、少し歪んでいるが、この「読書」の項目では珍…

奇妙な敗北(マルク・ブロック著)

本書は1970年東京大学出版会刊行のもの。 この著者は、歴史学者であるとともに、本作の中で現れるように、第二次世界大戦中における、ドイツ占領下のフランスでレジスタンスとして活動した人でもある。 本書では、最終的に連合軍にドイツは敗れるものの、そ…

死の哲学(江川隆男著)

本書は河出書房新社2005年刊行のもの。 21世紀になっても哲学的考察を含んだ書籍が出版されるのは嬉しいことだ、ただし、著者ももっと多くの紙数を費やしたかったことだと思うが、このような小冊子での発表になってしまったのは時代の流れというべきだろうか…

目で見る相対性理論(J.T.シュワルツ著)

本書は白揚社1969年刊行のもの。 相対性理論は随分夢のある理屈だ、空間が縮まったり時間が遅くなったりする。 最近では、カーナビの位置決めのために、GPS衛星との間でのデータ修正のために利用されているらしい。 だから、とても身近な理屈なのだ。 そんな…

2010年8月までの累計

2010年8月までの累計歩数は、 32,717,104歩で達成率は81.8%になります。 この夏は暑かったので、週末の長い歩き(といっても7万歩ほど)以外は、夜に小まめに歩くことで埋め合わせることが出来ました。 9月も上旬は、残暑が残りそうです、例年ですと(歩き)…

円高

最近円高傾向が続いていることはご存知の事で、特に輸出産業への影響が懸念されています。 また、アメリカやEU諸国も、自国通貨を相対的に安くすることで、輸出を増やそうという意図もあり、円高に対する(協調)介入への足かせになっていることもご存知のこ…