110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

社会の喪失(市村弘正・杉田敦著)

本書は中公新書版(2005年)。 市村氏の著作を題材として提示し、それについて杉田氏と対談するという構成の本。 市村氏の個性が読み取れて興味深い一冊だ。 取り上げたテーマは「戦争・歴史・解放・自由・世界・言語・社会」であり、うかうかすると、観念的…

飯沢匡が語る狂言物語(飯沢匡著)

本書は1984年平凡社刊行のもの。 狂言を題材を、著者がわかりやすく語ってくれるもの、あまりに読みやすいので子供向けかとも思ったが、私のように、いつまでも子供(アダルトチルドレン)な者には最適な読みものである。 狂言の中の笑いについて本書は取り…

プリンタを変えた

プリントすると横縞模様が出るようになり、「これはやばいんじゃない?」と言われたのでプリンタを新調した。 場所もとるので、まず、プリンタを粗大ゴミで処分してから、池袋のビックカメラに行く。 はじめは、EPSONのある機種が良さそうだったので狙ってい…

だめだこりゃ(いかりや長介著)

本書は新潮社平成13年刊行のもの、私は、新潮文庫版(平成15年初版)で読む。 古本を読むと、故人のよさを発見してしまうことがよくある。 この著者も、自分の見てきたドリフターズのイメージから勝手に想像してきた人間像と大きく隔たった人だったことを発…

ツキの法則(谷岡一郎著)

本書はPHP新書(1997年初版)。 あなたはギャンブルをするだろうか、私は、するのだが、振り返って見ると、巨大な浪費をしていることに気づく、未だ破綻していないのは、ただただ、幸運なだけだ。 その、ギャンブルについて、大数の法則からして、勝てないも…

「判断力」を強くする(藤田晃治著)

本書は講談社ブルーバックス。 立ち読みするとなんとも悩ましい始まりかたではないか、自分の人生の分岐点での判断の仕方では、もしかするとセレブになっていたかもしれない、その判断のためのいくつかの指標を記すなどというなどというような趣旨が書いてあ…

Linux環境が深まる

先日、Linux(ubuntu)を壊れかけのPCにインストールして悦に入っていたのだが、やはり動作が不安定なので、中古のPCを買ってきてインストールしてみたところ、思ったよりも具合がよい。 ただし、LAN接続が有線なのでめんどくさいと思っていたところ、ただいま…

エコロジストのための経済学(小島寛之著)

本書は、東洋経済新報社2006年刊行のもの。 経済学で環境問題を取り扱うことは難しいことのようだが、著者はそれに取り組むとともに、経済学に詳しくない人にも理解できるようにと本書を著した。 しかし、やはり難しい課題のようで、経済というものが、人間…

宮殿をつくる(高尾亮一著)

本書は求龍堂昭和55年刊行のもの、本書の元になるのは、雑誌「プレジデント」昭和53年6月号から翌年8月まで連載されたもの。 そして、本書はまさに宮殿を作る話であり、それは日本の話だ、それは戦争で焼失した皇居の再建ということだ。 本書の冒頭には、日…

久しぶりにLinux環境になる

手持ちのHP製PCが調子が悪くなったので放置しておいたのだが、久しぶりに、触ってみたら、やっぱり調子は悪い、どうもグラフィックボードがおかしくなったのだと思う。 修理しても結構しそうだし、このまま捨てるのも惜しいので、紆余曲折の末、Linux、Ubunt…

<子供>のための哲学(永井均著)

本書は講談社現代新書(1996年初版)のものを読む。 私より年上だが比較的若い哲学者である本著者を、はずかしいことながら見くびっていた、それは、著作の題名があまり哲学らしくないように思ったからだ(「翔太と猫のインサイトの夏休み(ナカニシヤ出版)…

丁稚(花登筐著)

本書は日本文芸社昭和47年刊行のもの奥付には発行所印をおしてあり古さを強調している。 花登筐といえば、テレビの脚本を上げる事ができる、子供の頃はなんとなく再放送(細うで繁盛記)もので氏の名前を目にした記憶がある。 本書も書名からして、大阪商人…

ユダヤ人(J・P.サルトル著)

本書は岩波新書版で読む。 ユダヤ人というだけで差別を受ける、その最も悲惨な例がアウシュビッツである。 本書は、そこに潜む問題を考察しているもの、実存主義、社会主義という思想傾向が見えるので、敬遠される人もいるだろうが、その前提としての人間の…