110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

しばたはつみさん死去

普段は意識していないのですが、いなくなるととても悲しくなる人というのはありますよね。 ご冥福をお祈りします。 「マイ・ラグジュアリー・ナイト」などパワフルな歌唱で知られる歌手、しばたはつみ(本名・細合はつみ=ほそあい・はつみ)さんが27日午…

歩き読みしていてコケル

先日、歩き読みをしていたら、突然左足の地面がなくなったのだ、思わず取っ掛かりを見つけようと踏ん張ったのだが、道の端(路肩)はえぐれていて、取っ掛かりなどなく、そのままコケてしまった。 歩き読みしても、転ぶことは無い・・・・というわけでは無い…

ことばが劈かれるとき(竹内敏晴著)

本書は1975年思想の科学社より刊行されたもの、私は、ちくま文庫版で読む、文庫版の刷数も重なっているので読まれた方も多いことだろう。 さて、本書の大半は「身体論」である(著者は「身体」という言葉を嫌っているのだが)。 しかも、実践的な身体論であ…

擬似現実の神話はがし(鮎川信夫著)

本書は1985年思潮社刊行のもの。 田村隆一からの関連で著者の本を読む。 田村氏の著作で引用される鮎川氏の文章は硬質で(私には)読みずらいという印象があった。 しかし、目の前に著者の作品があるのだからとりあえず一冊と思って手にしたのが本書である。…

債務超過

先ごろ大前研一氏のコラムを読んでいると、日本の財政状況が、企業会計で言うところの「債務超過」に陥っている・・・・という趣旨が載っていた。 この場合、普通の企業体ならば、リストラや資産の処分、規模縮小、上場企業ならば上場廃止などの措置がとり、早急…

詩と批評A~E(田村隆一著)

本書は、思潮社より刊行のもの、1969年から1978年にわたり刊行された。 著者は詩人、山本夏彦の著作の解説が良い文章だったので、一読してみたかったのだが、本書を読んでみて「詩」も善いものだなと思った。 著者自体は、最近(当時)の方が、日本に詩人の…

雲の評定(森進一著)

本書は筑摩書房、昭和61(1986)年刊行のもの。 著者は、田中美知太郎氏に教えを受けた人。 田中氏が亡くなられたのを、ひとつの機縁として本書は成立したようだ。 そういうことで、本書は、著者の文学者としての側面と、哲学者としての側面が見受けられ、中…

漱石と仏教(水川隆夫著)

本書は平凡社2002年刊行のもの。 少し前に、夏目漱石と「則天去私」について興味を持った、本書でも上げているが「私の個人主義」での講演内容との矛盾について考えたからだ。 もとより、漱石と仏教との関係は深かったのだが、当初は「禅」に向かったのだが…

ニコマコス倫理学(アリストテレス著)

本書は岩波文庫版(高田三郎訳)で読む。 著者の本は初めて読んだことになる、この歳にして。 以前は、古典であるギリシャ哲学、プラトン、アリストテレスなどは、少し伺っては、現代との時代性の差を元に(理性的な理屈ではなく)「古いものは悪いもの」の…

死に急ぐ鯨たち(安部公房著)

本書は昭和61年新潮社刊行のもの、私は、新潮文庫版で読む。 本書は、著者のエッセイと対談で構成されている、ぱっと開いたときに「実存主義」という言葉が目に付いたので手にしたわけだが、この部分以外で哲学や哲学者の名前は出てこないのだ(笑)。 しか…

2010年2月までの累計

2010年2月までの累計は、28,322,920歩で、達成率は70.8%となります。 今年はひそかに、平月は70万歩を目指したのですが、早くも挫折しました。 要因はいろいろあります・・・天候が、仕事が、日にちが、等々。 でも、時間はあったわけですから、言い訳に過ぎま…

戦争論(西谷修著)

本書は当初1992年岩波書店刊行のもの、その後増補されて、講談社学術文庫版(1998年初版)として刊行された。 戦争論、あるいは、戦争に関する論文・著作はたくさんあるが、本書の特筆は(人間の)存在論敵な見地からの論述にある。 戦争は何故起こるのか、…

限界集落(梶井照陰著)

本書はフォイルというところから2008年に刊行されたもの。 限界集落とは「過疎化などにより、65歳以上の高齢者が集落人口の50%を超え、独居老人世帯が増加し、社会的共同生活の維持が困難な状況にある集落を指す。」とある。 しかし、本書は文章の方ではこの…