110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

漱石と仏教(水川隆夫著)

 本書は平凡社2002年刊行のもの。

 少し前に、夏目漱石と「則天去私」について興味を持った、本書でも上げているが「私の個人主義」での講演内容との矛盾について考えたからだ。

 もとより、漱石と仏教との関係は深かったのだが、当初は「禅」に向かったのだが、晩年に近づくにつけ、真宗親鸞に接近して行ったようだ。

 漱石という人間ですら、こういう転向があるのだ、しかし、単純に「自力→他力」ではないのだ。
 自他を越えた境地にそれがあるようなのだ。

 奇しくも「漱石=則天去私」の疑問を感じた後、本書をすぐに入手できた、これも、ある種の計らいなのだろうか。

 さて、そうすると次は「夢十夜」か。