本書は
平凡社2002年刊行のもの。
少し前に、
夏目漱石と「則天去私」について興味を持った、本書でも上げているが「私の
個人主義」での講演内容との矛盾について考えたからだ。
もとより、
漱石と仏教との関係は深かったのだが、当初は「禅」に向かったのだが、晩年に近づくにつけ、
真宗・
親鸞に接近して行ったようだ。
漱石という人間ですら、こういう転向があるのだ、しかし、単純に「自力→他力」ではないのだ。
自他を越えた境地にそれがあるようなのだ。
奇しくも「
漱石=則天去私」の疑問を感じた後、本書をすぐに入手できた、これも、ある種の計らいなのだろうか。
さて、そうすると次は「
夢十夜」か。