110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

雲の評定(森進一著)

 本書は筑摩書房、昭和61(1986)年刊行のもの。

 著者は、田中美知太郎氏に教えを受けた人。
 田中氏が亡くなられたのを、ひとつの機縁として本書は成立したようだ。
 そういうことで、本書は、著者の文学者としての側面と、哲学者としての側面が見受けられ、中には、ギリシャ哲学に関する小編なども幾つか収められている。

 そして、私は、田中美知太郎という人に興味を持った関係で本書を手にした。
 最初、一介の哲学者となめてかかっていた田中氏の、その哲学に向けた生き方は、本書で間接的に伝わってくるのだ。
 そして、そういう機縁もあってなのか、ギリシャ哲学について、少し勉強してみたくなった。
 すでに、2500年も以前から、人間はこの面ではあまり深化していないようなのだ。
 さらに、この当時のほうが、言葉の意味について深い洞察があるようなのだ。

 まぁ、私的な感慨なのだが・・・・。