110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

虚無よりの創造(シェストフ著)

本書は芝書店昭和9年(1934年)刊行のもの。 用紙は黄ばんでいるし、ページが外れていたり、全体に痛みもあるが本書は読むことができる。 そして、本書の様な文学論ならば今もって読むことができる。 なおのこと、これから書籍の電子化が進むのならば、ささ…

ポストモダン保守主義(広岡守穂著)

本書は1988年有信堂刊行のもの、日本の絶頂期(かな?)に著されたもの。 何故日本はここまで成長できたのか、それは本書で「後期産業社会」という概念で示され、その大きな要因とされる「組織化」と「市場化」(一見矛盾する概念である)が当時の日本で良く…

雪舟

本書は新潮社刊行の新潮日本芸術文庫の中の一冊、薄い本なのでのんびり読む(見る!)ことができる。 雪舟というと水墨画のイメージを持っていたが、人物像や仏教画などもあることに少し驚いた。 当然、自分の好きな画題を書くことで食ってはいけないわけで…

芸人 その世界(永六輔著)

本書は文藝春秋社1969年刊行のもの、私は岩波現代文庫(2005年初版)のもので読む。 本書は、著述と言えるかどうかはあやしい、それは芸人と呼ばれた人たちの言葉を集めたものだからだ。 そして、特に戦前の芸人と呼ばれた人々の生き方は、私の想像をはるか…

艸木虫魚(薄田泣菫著)

本書は岩波文庫版で読む、この著者の作品は青空文庫でもいくらか読めるので一読されても良かろう。 (本作「艸木虫魚」もある) 本書を読んで、良い文章に出会えた、こんな風にも日本語は使えるのだ。 だから早速「茶話」を探し始めた。

「世界制服」は可能か?(岡田斗司夫著)

本書は筑摩プリマー新書2007年刊行のもの。 世界制服などという言葉が身近にあるのは私の世代だろうと思ったら著者は1958年生であった。 レインボーマンまで出てくればこれは固い、私は「死ね死ね団」よりも「提婆達多」の魂を宿したレインボーマンという凄…

現象学の理念(フッサール著)

本書は作品社刊行のもの、長谷川宏訳なので手にする。 本書はフッサールの初期の作品であり5つの講義内容が収録されている、言葉としての「現象学」は知っていたが、現象学とは何かについては本書を読んで多少なりとも認識できたと思う。 竹田青嗣が以前現…

abさんご(黒田夏子著)

本書は文藝春秋社刊行のもの、流行りにのった形だが、一見ひらがなが多く易しそうな文体はそうが問屋が卸さない、難度の高い一品、どちらかというと50年前の作品のほうが私にはわかりやすい。 でも、この本を沢山の人が読むことだけでも多少(文学界)の救い…

谷川俊太郎・・・

の詩集に少しハマっている、手元に集英社文庫版で3冊ほど集まったので気楽に読んでいる。 何のことはない、この著者はみんな知っているらしい、だから少しもマイナーではない。 谷川徹三という哲学者が父親だということを知っていようがいまいが、やはり有名…