110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

河鍋曉斎戯画集

本書は岩波文庫版で見る(読む?)。 河鍋曉斎と出会ったのは「地獄少女(アニメ)」のオープニングでの地獄絵なので、池袋の古本市で本書を目にしたときには既に手にしていた、本の状態や価格は決してお手頃とは言えなかったのだが。 さて、読んで(見て)…

哲学の課題(樫山欽四郎著)

本書は講談社学術文庫版で読む。 著者による哲学論集10編である、1955年から1976年とそれぞれの著された時期は異なるのだが不思議と文章のイメージに違和感が少ない、それは、読み手にわかりやすく伝えるという著者の姿勢なのだろうと憶測する。 ポストモダ…

カレワラ(森本覚丹訳)

本書は講談社学術文庫版で読む「カレワラ」とはフィンランドに伝わる叙事詩であり、本書のオリジナルは昭和12年に「カレワラ」出版後100年を記念してフィンランド政府の出版費用助成で成った超豪華版であったのだ、それがこうして普及版として読むことができ…

繁栄と衰退と(岡崎久彦著)

本書は1991年文芸春秋社から刊行されたもの、私は1999年の文春文庫版で読む。 副題に「オランダ史に日本が見える」とある。 最近、日本の国力の減速や衰退(発刊当時はそうではなかったが)が目につくが、これに対して歴史を参考にしようとい考えることはそ…

これからの「正義」の話をしよう(マイケル・サンデル著)

本書は早川書房刊行のもの、奥付を見ると2010年刊行であり随分前に流行ったことがわかる、私としては意外な感覚を覚えたのだが、現代感覚について鈍いということなのだろう(だから、平然と古書を読んでいられるのだろうが・・・)。 邦題は長ったらしいが原…

可愛い女・犬を連れた奥さん・他一篇(チェーホフ著)

タイトルからわかるように本書は岩波文庫版で読む。 晩年の沈潜期にさしかかろうとする時期のチェーホフ作品ということでなかなか味わい深い短篇が三篇収録されている。 「可愛い女」=オーレンカが不幸になっていくのを最初は他人の目で読んみながら、最後…

玉くしげ(本居宣長著)

本書は多摩通信社2007年刊行のもの現代語訳で新書版だ、副題が「美しい国のための提言」とあることから失敗に終わった前安倍政権に呼応して出版を企画したと思う。 でも、本書のような本を良く出されたものだと思う。 本書はナショナリズムの本だ、そして、…