繁栄と衰退と(岡崎久彦著)
本書は1991年文芸春秋社から刊行されたもの、私は1999年の文春文庫版で読む。
副題に「オランダ史に日本が見える」とある。
最近、日本の国力の減速や衰退(発刊当時はそうではなかったが)が目につくが、これに対して歴史を参考にしようとい考えることはそれほど奇異名ことではないと思う。
私は、20世紀にアメリカにその王座を譲った英国に見るのが妥当かなと思っていたが、それ以上に参考になる歴史がある、それはオランダのものだとするのが本書である。
読んでみるとなるほどと頷かされるところが多い、バブルが崩壊した直後未だ平和な状況を謳歌していた時節にこのような考察があったことは特筆されても良さそうだ。
しかも、前半の繁栄への道のりとも言うべきオランダの共和制への過程、その艱難辛苦の事実は下手なドラマより感動的でそれだけでも読んでためになった。
しかし、オランダの栄華はイギリスにより衰退へと向かう、その理由は様々考えられるというのだが重要な要因が「(英国の)嫉妬」であったということは意外な感覚を覚えるとともに、アジア諸国と日本の立ち位置を考えさせられる。
そして、オランダは結局戦争で敗者となる、それはそれまでの栄華の歴史を表舞台から隠蔽されるということである、それがオランダという国の優れた時代を私たちが(あまり、全然?・・・私は後者)知らない理由なのだ。
そこにはなにか思い当たる節がある、わが国の戦前の歴史が何か薄い膜に被われているようなその感覚だ。
副題に「オランダ史に日本が見える」とある。
最近、日本の国力の減速や衰退(発刊当時はそうではなかったが)が目につくが、これに対して歴史を参考にしようとい考えることはそれほど奇異名ことではないと思う。
私は、20世紀にアメリカにその王座を譲った英国に見るのが妥当かなと思っていたが、それ以上に参考になる歴史がある、それはオランダのものだとするのが本書である。
読んでみるとなるほどと頷かされるところが多い、バブルが崩壊した直後未だ平和な状況を謳歌していた時節にこのような考察があったことは特筆されても良さそうだ。
しかも、前半の繁栄への道のりとも言うべきオランダの共和制への過程、その艱難辛苦の事実は下手なドラマより感動的でそれだけでも読んでためになった。
しかし、オランダの栄華はイギリスにより衰退へと向かう、その理由は様々考えられるというのだが重要な要因が「(英国の)嫉妬」であったということは意外な感覚を覚えるとともに、アジア諸国と日本の立ち位置を考えさせられる。
そして、オランダは結局戦争で敗者となる、それはそれまでの栄華の歴史を表舞台から隠蔽されるということである、それがオランダという国の優れた時代を私たちが(あまり、全然?・・・私は後者)知らない理由なのだ。
そこにはなにか思い当たる節がある、わが国の戦前の歴史が何か薄い膜に被われているようなその感覚だ。