110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ニーチェⅠ・Ⅱ(ハイデッガー著)

本書は理想社刊行の「ニーチェ」を改題して、平凡社ライブラリー版として収録したもの。 今年も、徒然に本を読んできたし、手にした本も玉石混交であったと思う。 だから、今年の最後は、本当に良いと思う本をあげたかった。 本書は、ニーチェの「力への意志…

芭蕉入門(井本農一著)

本書は講談社学術文庫版。 松尾芭蕉についてラジオで放送したものを、編集したのが本書であり、良い入門書だと思う。 そして、芭蕉の俳句の変遷についても解説している。 奥の細道を境に「不易流行」を唱え、実際には「軽み」の句を作ることを目指すのですが…

哲学入門(三木清著)

本書は岩波新書版で読む。 私は、本書を1987年第63刷で読んだのだが、これはよい本だと思う。 哲学に精通されて、本書を批判的に読まれる方もあろう。 既に古い考えとして退けるられる方もあろう。 私も、主観、客観それぞれを超越した境地にある主体(人間…

異端の数ゼロ(チャールズ・サイフェ著)

本書は2003年早川書房刊行のもの、私は、<数理を楽しむ>シリーズというハヤカワ文庫(ノンフィクション)版を読む。 ゼロは特殊な数なのだけれど、数直線のど真ん中にある。 なんでこんなに異なるものが、そんなところにあるのだ。 今は無いが、浜松市の中に…

インデペンデンス・デイの悪夢

昨日は、既に古い映画だが「インデペンデンス・デイ」をTVで上映された、悪いエイリアンに侵略された人類が、それをやっつけるというもので、それはそれは、感覚的には感動モノだが・・・・ その悪いエイリアンという項に「人類」、そして、それを駆逐される対象…

ノーベル賞経済学者の大罪(ディアドラ・N・マクロスキー著)

本書は2002年筑摩書房刊行のもの、私は増補版2009年初版のちくま学術文庫版を読む。 ここで著者は、経済学者が犯している三つの罪を告発している。 それは、 1.「存在」証明という非科学的な研究が、化学や歴史学といった分野での本物の科学者が関心を寄せる…

なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか(ジャン・ボードリヤール著)

本書は2009年筑摩書房刊行のもの・・・珍しく、古書ではなく新書で入手した本だ。 消滅とは、訳注にあるのだが、姿を消す、見えなくなるという意味の動詞「disparaitre」の名詞形で、物理的かつ不可逆的に存在しなくなることではないので、消耗や絶滅、根絶とは…

私の常識哲学(長谷川如是閑著)

本書は1955年慶友社刊行のもの、私は講談社学術文庫(1987年初版)で読む。 著者の哲学観はまず行動すること、生活に関わること。 逆に、ドイツ観念論は大嫌いという感じで、そのメリハリがはっきりしている。 さらに、大正時代に入り、そのドイツの観念論が…

ご冥福をお祈りします

P・サミュエルソン氏死去 近代経済学の第一人者 12月14日10時8分配信 産経新聞 【ニューヨーク=松尾理也】20世紀を代表する経済学者で、1970年に米国人として初めてノーベル経済学賞を受賞した米マサチューセッツ工科大(MIT)名誉教授、ポール・…

恋に似たもの(山本夏彦著)

本書は1986年文春文庫版、そして私は1996年初版の中公文庫版で読む。 山本氏の著作は極力ここに上げないことにしている、著作数が多いこともそうだが、秘密にしたいところもある。 しかし、これは、どうだろう? 人の一生 おいおい泣いているうちに三つの坂…

身体・表現のはじまり(亀井秀雄著)

本書は、当初講談社から1974年に刊行されたもの、その後改訂されて、れんが書房新社から刊行された(1982年初版)。 内容は、身体論である。 本書には、メルロ=ポンティ、市川浩というような身体論の著者の名前も出てくる。 そして、それと対を成すように、…

規制緩和という悪夢(内橋克人とグループ2001著)

本書は1995年文藝春秋刊行のもの、私は文春文庫(2002年初版)のものを読む。 私は、その言葉の雰囲気・イメージで善悪を判断してしまう短絡的な傾向があるのだが、この「規制緩和」などもなんとなく良いイメージの漂う言葉ではある。 他にも「政権交代」な…

あ・うん(向田邦子著)

本書は文春文庫版で読む。 山本夏彦に名人と呼ばれた著書の唯一の長編小説。 はじめは、その名人といわれた、書きかたに興味を持ったが、徐々にその内容にひきこまれる。 人の中には暗い部分がある、それを知りつつ、表に出さないこと、それは人生なのだろう…

恐慌の罠(ポール・クルーグマン著)

本書は2002年中央公論新社刊行のもの。 遅まきながら、およそ10年前の日本を題材にした著者の作品を読んでみる。 そして、著者は非常に著名な経済学者である。 経済の世界は変化が激しく、新しい状況が出現してくるので、過去の著作は役に立たないのかもしれ…

&lt;気配&gt;論(上村武男著)

本書は白地社1986年刊行のもの、著者は大学の教授ではなく、神社の宮司で、幼稚園の理事長とある。 そして、本書の題名だけでは何の本だか判らないだろうが、副題の「自覚線上における西田幾多郎」を知ると、本書がどの様な目的をもって書かれたかがわかるだ…

異なる悲劇日本とドイツ(西尾幹二著)

本書は、1994年文藝春秋社刊行のもの、私は文春文庫版(1997年初版)を読む。 日本とドイツの第二次世界大戦における(戦争)責任は異なるのだが、それを同じ立場に置いて、補償について優劣をつけてしまう。 日本人が、陥ってしまう思考の罠について、著者…

2009年11月までの累計

2009年11月までの累計歩数は、26,289,369歩で、進捗率は65.7%となります。 月初、スリーデーマーチというイベントがあり、快調に歩数を伸ばしましたが、後半は、冬の気配が感じられるとともに、出不精になっていきました。 例年、9,10,11月の3ヶ月間は、強化…