110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

恐慌の罠(ポール・クルーグマン著)

 本書は2002年中央公論新社刊行のもの。

 遅まきながら、およそ10年前の日本を題材にした著者の作品を読んでみる。
 そして、著者は非常に著名な経済学者である。
 経済の世界は変化が激しく、新しい状況が出現してくるので、過去の著作は役に立たないのかもしれない。
 また、他の著作で「インフレターゲット」は有効かどうか疑問というような記述にであったこともある。

 しかし、この著作が書かれた時に著者が指摘している「流動性の罠」、すなわち、ゼロ金利下でデフレ(景気後退)に陥るという日本の不況のシナリオは、そういえば、どこかで体験しているような・・・・
 ただ今体験していることではないのか?
 
 だから、経済学が目指しているもの、その守ろうとしているものについては、普通の人も知っていて良いのでないだろうか?
 その当時、著者は、日本の「何」を批判していたのか、それを知ることも重要なのではないか?
 
 そのようなわけで、再度、経済学・・・といっても数学はダメなので、現在の日本経済について、解説しているものを少し読み進めて行きたいと思う。

 ちなみに、本書の英語の題名は「Japan's Trap」なのだ(日本語版の題名は少し薄めてあるのだ)。