110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

規制緩和という悪夢(内橋克人とグループ2001著)

 本書は1995年文藝春秋刊行のもの、私は文春文庫(2002年初版)のものを読む。

 私は、その言葉の雰囲気・イメージで善悪を判断してしまう短絡的な傾向があるのだが、この「規制緩和」などもなんとなく良いイメージの漂う言葉ではある。
 他にも「政権交代」などという言葉で、日本全国が踊ってしまったことは、つい最近のことだ。

 さて、本書は1993年細川政権下で行われた「経済改革研究会」で提言された「規制緩和」の弊害をリポートしたもの。
 現状は、経済対策は必須の状況だが、規制緩和の声が聞かれないのは、このときの学習効果なのだろう。
 基本的に、規制緩和はインフレを抑える目的で行われるらしい、例えば、本書でリポートされる、米国の1970年代の事例では、規制緩和により、給料が下がる状況を見ることができる。
 そして、1993年の時点では、日本経済はデフレであったのではないか?
 そうすると、政策の舵取りを誤ったのではないか・・・・。
 
 確かに経済学で確実な予測をすることは困難(不可能)なことは判るが、それならば、どうすれば最善手が打てるのだろうか?
 その取り組み方が、不透明なのだ。
 いや、不透明であるのは構わないが、明らかに成果が出ない場合は、責任を取るという体質であってほしいのだ。

 昨日のTVで経済対策問題を取り上げていたものがあったが、その中で「規制緩和」と、ふと漏らした人(コメンテーター)がいた。
 また、ケインズ政策を推し進めようと考えている大臣がいることもわかった。

 さてさて、この先もどうなることやら。