110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

谷川俊太郎・・・

 の詩集に少しハマっている、手元に集英社文庫版で3冊ほど集まったので気楽に読んでいる。
 何のことはない、この著者はみんな知っているらしい、だから少しもマイナーではない。
 谷川徹三という哲学者が父親だということを知っていようがいまいが、やはり有名なのだ。

 ここでは、作者の独自性に逆らってこんなことを考えて遊んでみた・・・

 木
 何の木この木
 この木は桧
 悋気に疝気
 気で病む兄貴

 何の木その木
 その木は水木
 短気は損気
 明日は天気

 何の木あの木
 あの木は狸
 化け損なって
 青息吐息
 (ことばあそびうた) 

 一見、子供向けなのに、意外と難しいこと(ば)をさらりとこなす手腕に感動してしまう。

 しかし「20億光年の孤独」という表題が象徴的なように、なにか薄ら寒いもの(孤独)を感じさせる詩も結構ある。
 「母を売りに」は、その表面上の意味を読んでいると吐き気がしてくる。
 しかし、再読すると、そこに妙な愛情(安堵)を感じるところもある・・・「楢山節考」を何となく思い出すのだが、こういう作品は残酷なもなのか、それとも愛情のあるものなのか?
 左様に割り切れない事は世の中にたんとある。