110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

現象学の理念(フッサール著)

 本書は作品社刊行のもの、長谷川宏訳なので手にする。

 本書はフッサールの初期の作品であり5つの講義内容が収録されている、言葉としての「現象学」は知っていたが、現象学とは何かについては本書を読んで多少なりとも認識できたと思う。
 竹田青嗣が以前現象学の著作を出していたが、そこで、現象学とは、ロボットの中で操縦する感覚というような比喩を使っていたが、本書でも、私という内側からどうして外のものや他人を知ることができるのか?という素朴だが未だによくわからないことについて問題提起されている。
 現代では、そのような根本的なことはとりあえず置いて、外部は存在するという立場から考え始めることになっているようだが、そのために、あらゆることが相対的に判断せざるを得ない状況にあるともいえるだろう。
 私たちの背が高い・低い、体重が重い・軽い、メタボである・ないなどの指標は、相対的であり、もしこの世に私一人ならば、どのような状況でも、私が標準身長で標準体重で標準メタボなのだ。

 なんてくだらないことを力説してしまった。

 本書が105円であったということは、社会的には損なのか得なのか?どうだろう。