110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ツキの法則(谷岡一郎著)

 本書はPHP新書(1997年初版)。

 あなたはギャンブルをするだろうか、私は、するのだが、振り返って見ると、巨大な浪費をしていることに気づく、未だ破綻していないのは、ただただ、幸運なだけだ。
 その、ギャンブルについて、大数の法則からして、勝てないものだと解説するのが本書である。
 読めば、ギャンブルにのめりこめばのめりこむほど、必ず負ける、そして、結果として、大きな損失を受けるのだ。

 しかし、本書はだからと言って、必ずしも、それを止めろとは書いていない、その必然性の中で、どうすれば満足感を得ながら負けられるか、また、負けることがわかっていても、その中でどうすれば、最善でありえるのかを説いている。

 私たちは、皆知っている、競馬などの公営ギャンブル、宝くじが利益をあげていること、パチンコ店がなかなかがつぶれないこと、だからその程度の大きな金がギャンブルに吸い上げられていること、理性では分かっていてもやめられないものであることを。

 本書を読めば、確かに、その本質が分かるように思う、ギャンブルが好きな人は、その(負ける)必然性にどう付き合うのかが問題なのだろう。

 そして、数少ない人はその細い確率の中で(プロとして)生き残っていることも事実であり脅威でもあるが、それもまた、大数の法則標準偏差の枠の中では、計算のうちなのだ。