110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

飯沢匡が語る狂言物語(飯沢匡著)

 本書は1984平凡社刊行のもの。

 狂言を題材を、著者がわかりやすく語ってくれるもの、あまりに読みやすいので子供向けかとも思ったが、私のように、いつまでも子供(アダルトチルドレン)な者には最適な読みものである。
 狂言の中の笑いについて本書は取り上げているようだ、そして、笑いの中には、人のもつ可笑しさとともにある種の「えぐみ」も含んでいる。
 狂言は、笑いを目指しながら人の業みたいなものに視点を向けているということが芸としての深さなのであろうか。
 そして、本書の用な語り口で書かれると、落語に通じるところがあるような錯覚に陥ったのだ。
 一芸とは、娯楽性というものがある一方、人間性をあばく冷静な目が潜んでいるのものではなかろうか?
 ・・・そんなことを思うのだ。