110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

断章101、102

 この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。
 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そういうパスカルが好きなのだ。

 断章101
 「もしもすべての人が、それぞれが、他の人たちについて言っていることを知ったとしたならば、この世に四人と友人はあるまいということを、私はあえて提言する。このことは、人が時に不謹慎な告げ口をするところから生じる喧嘩によっても、明らかである。(私はさらに進んで言う。すべての人は・・・)」(全文)
 藤子不二夫の短編漫画に、他人の心の声が聞こえる「椎の実」を拾って人間不信になるという話があった(テレパ椎)という題名だったと思う。

 断章102
 「他の悪徳によってのみ、われわれに結びついており、その幹を除けば、枝のように取り去られる悪徳もある」(全文)
 悪徳が階層をなしているという事を言いたいのか、または、悪徳の中にはそう簡単に除けない、太い幹もあるということを暗示しているのか?
 そもそも、悪徳という概念は、今風に考えると相対的な概念だなのだが、パスカルには、ある絶対的な「真善美」がある。