妊娠小説(斎藤美奈子著)
本書は1994年筑摩書房刊行のもの、私は、1997年初版のちくま文庫版で読む。
本書は著者のはじめての評論作品とのことだ。
そもそも、題名はよく考えるとおかしい、本書で取り扱うのは妊娠中絶小説がほとんどであるので、中絶小説としたほうがなじむように思う。
また、一見して、自然科学的手法で、著者の定義した「妊娠小説」に該当するものを、分析していくのだが、そもそも、小説が個別的な要素が強いのに、敢えて、普遍的、一般的な視点から截断していくことの無理が見受けられるのだ。
しかも、その小説のある部分(ほとんど全部の場合もありそうだが)に「妊娠」をとりあげている場合でも、それを全体の要素のように評論するところに違和感を感じる。
だから、私としては、本書を局所的な論評であると割り切って読むことが良いのではないかと思う、そうすれば、分析手法などについて面白く感じる事ができると思う。
本書で引用されている、各作品の解釈については光るものがあるだけに、「妊娠小説」というテーマに拘りすぎて、何か理屈を超えてしまうところが見受けられるのが残念ところだ。
良くも悪くも、対象は小説なんだからね。
本書は著者のはじめての評論作品とのことだ。
そもそも、題名はよく考えるとおかしい、本書で取り扱うのは妊娠中絶小説がほとんどであるので、中絶小説としたほうがなじむように思う。
また、一見して、自然科学的手法で、著者の定義した「妊娠小説」に該当するものを、分析していくのだが、そもそも、小説が個別的な要素が強いのに、敢えて、普遍的、一般的な視点から截断していくことの無理が見受けられるのだ。
しかも、その小説のある部分(ほとんど全部の場合もありそうだが)に「妊娠」をとりあげている場合でも、それを全体の要素のように評論するところに違和感を感じる。
だから、私としては、本書を局所的な論評であると割り切って読むことが良いのではないかと思う、そうすれば、分析手法などについて面白く感じる事ができると思う。
本書で引用されている、各作品の解釈については光るものがあるだけに、「妊娠小説」というテーマに拘りすぎて、何か理屈を超えてしまうところが見受けられるのが残念ところだ。
良くも悪くも、対象は小説なんだからね。