110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

アジェの写真

 ベンヤミンの「写真小史」に取り上げてあった、アジェの写真集を入手しました。

 Paris: Eugene Atget: 1857-1927 (Taschen 25th Anniversary Edition)

 まず、写真がモノクロ(もしくはセピア)なので色彩感がないことと、構図の中に人を入れて写さないので、独特の雰囲気があります。
 (当時の)パリの景観、そして文化というものは、人が作り出したものです、だから、そこには人の匂い(存在感)があるはずなのに、これらの写真の多くには、そういうものが不在なのです。
 そこに、ある意味矛盾した景観が現れるのでは無いのでしょうか?
 本書はダイジェストなのですが、個人的には「The Outskirts of Paris(パリの郊外)」の風景が見たかったですね。