110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

自我の起源(真木悠介著)

 本書は1993年岩波書店刊行のもの、そして、ついに2008年11月岩波現代文庫版が出た(いつか、本文庫版が出ないかと書いたことがあるが、見事に当たった・・・まぁ時間の問題だったのかもしれないが)。

 さて、本書については、「お気に入りブログ」・・・・「読書のあしあと」の本書の書評をご覧ください。
 http://blogs.yahoo.co.jp/honestly_sincerely/43876152.html
 でなければ、どこかで立ち読みして、大澤正幸氏の解説を読んでください。
 と手抜きをします。

 最近、「身体論」という言葉を使わなくなりましたが、まだ、課題としては残っています、そして、人間という「個物」が意外に開かれていることに気づきます。
 本書とは、微妙にずれますが、「自我」というものは「他者」が無いとまず成り立ちません、それを、社会性という様に言い直しても良いのかもしれません。
 それでは、「この身体」が、私(ちょっと苦しいけれど「自我」)ではないのか?・・・と考えると、本書にもあるように、私のものは意外に特定できません、体内にいる、他の生物、ウイルスやら各種の細菌やら・・・物的にも、いろいろなものが同居しています。
 それなら、遺伝子が共通のものが自分だ・・・としても、多分、一秒前の私は「ほぼ」似ているのでしょうが、10年前の私と比べると、20年前の私と・・・・・(もう、いい!)となります。
 さぁ困りました、私とはいったい何なのでしょう?
 そして、自我なるものは何なのでしょう、ただし、ちょっと混雑した場所を歩くと、自我が交錯することが多々あるので、経験的には「それ」はあるようです(と思い込んでいるのかもしれません)。
 
 面白いですよね。