110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

誰がために鐘は鳴る(ヘミングウェイ著)

冒頭のジョン・ダンの詩が良いと言う人がいた。
 
 こんな詩だ、
 
 なんびとも一島嶼(とうしょ)にてはあらず
 なんびともみずからにして全きはなし
 ひとはみな大陸(くが)の一塊(ひとくれ)
 本土のひとから そのひとひらの土塊(つちくれ)を
 波のきたりて洗いゆけば
 洗われしだけ欧州の土の失せたるは
 さながらに岬の失せるなり
 汝(な)が友どちや汝(なれ)みずからの荘園(その)の失せるなり
 なんびとのみまかりゆくもこれに似て
 自らを殺(そ)ぐにひとし
 そはわれもまた人類の一部なれば
 ゆえに問うなかれ
 誰(た)がために鐘は鳴るやと
 そは汝(な)がために鳴るなれば
 
 今まで、海外の名作は余り読んでこなかった。
 哲学や宗教的な内容が含まれていると、そこで思考が停止してしまっていたからだ、ひたすら、小説は「面白いもの」へ逃げた。
 最近、古本でそういう名作が安く出回ってきたので、読んでみる気になった。
 案外、浅い考えで本を読んでいる。
 「ヘミングウェイは、一冊300円になったら読もう」・・・そんな具合だ。
 食わず嫌いというが、やはり読んでみると面白く参考になる。
 もっと、早く読むべきだった。

 さて、このジョン・ダンの詩をどう解釈するのか?
 形而上的(キリスト教)的にそのまま解釈するのか?
 それとも、人間中心で考えるのか?

 そもそも、
 この内戦の意味は何か?
 殺戮の意味は何か?
 時間の意味は何か?
 人間の命は本当に大切なのか?
 ロバート・ジョーダンが最後(期)に掴んだのは何か

 それが、この詩の内容なのだろうか?