110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

算法少女(遠藤寛子著)

 本書は、1973年岩崎書店刊行のもの、私はちくま学術文庫版(2006年初版)で読む。

 本書の文庫本化については、文庫版あとがきをお読みいただいてそのなれそめを知っていただこう。
 そして、何故、本書のカバーの背表紙が青灰色なのか?・・・これは、私は推測しかできないのだが、に思い巡らして見よう。

 私はどうも難しい本は読み込めないようだ、まぁ、そういう(105円)知能なのだろう、だから、童話などの少年少女向けの本をじっと読んだりする、本書もそういうものの一つで、気のおけない読書ができる。
 今月読んだ「新美南吉童話集(岩波文庫)」には、代表作の「ごんぎつね」が収録されているのだが、これが先日見たテレビでの彼岸花の花畑の原点であったというつながりを知って、ああ童話も良いものだなとつくづく思ったりするのでした。
 ちなみに、「お午(ひる)がすぎると、ごんは、村の墓地へ行って、六地蔵さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向こうにはお城の屋根瓦が光っています。墓地にはひがん花が、赤い布(きれ)のようにさきつづいていました。・・・・(ごんぎつね)」
 私が読んだときは、この部分に気づかなかったけれども、これは凄い表現です、この気持ちを持ち続けることのできた人は素敵です。

 そういうわけで、くつろいで、本書を読むのも良いし、くつろぐために、本書を読むのも良いと思う。
 105円棚にありましたら、是非、手にとってお読みください。

 そうそう、「新美南吉童話集(岩波文庫)」もあわせてお勧めです、こちらは、多少考えさせられる作品も編纂されていますが・・・・