110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

いのちの旅(山折哲雄・他著)

 山折哲雄氏と錚々たるメンバーの対話集、1997年現代書館刊行。

 本書は、近くの図書館にあったリサイクル図書、それぞれの初出年月も1990年~1995年と10年以上も前のものが多い。
 それでも、面白く読めたのは、立花隆加藤尚武永六輔谷川健一山本七平・・・という顔ぶれが興味をそそったからだ(一番関心があったのは山本氏)。
 内容は様々だが、表題にあるように、いのち(死)、宗教、天皇制などが主なところで、少し宗教観的な色合いが濃いかな?というイメージを持った。
 しかしながら、この10年以上前の対談でも、環境問題、人間の実存の問題、宗教的な闘争についてなど、今日的な話題と共通した話題が取り上げられている。
 そして、その同じ話題が、現在と当時で微妙に異なった捕らえ方がされていることに気づくことになる。
 
 もとより、山折氏の著作はそのうちに取り組んでみたいものだったので、少し視点は異なるかもしれないが、ちょうど良い予習ができた。
 私の怠慢だが、10数年遅れで安く(リサイクル図書や古本などで)勉強させてもらっているのだ。
 ただ、思想や歴史、宗教観みたいなものは、あまり古さにこだわる必要がないところが良い。