110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

狂暴なる霊長類(J・A・リヴィングストン著)

 本書は法政大学出版局「叢書ウニベルシタス」1997年刊行のもの。

 一言で言うと、ナチュラリストによる人類の告発であり、最近の私の考えもそちらに寄っていることを自覚させられた。

 そして、そこには難しい問題がある。

 いわゆる自己言及という形式による難点、すなわち「人類は自然から派生したものであるのに、その自然を破壊しようとする悪である」がある。

 あるTVで、竹中平蔵氏が言っていた「環境問題の解決するには人類が滅亡するしかない(その後、人類は新しい知恵をもって回避できると期待する・・・という趣旨のフォローを言っていたが)」これは、正しい解決方法だと思う、しかし、それなら私は消滅しなければならないのか?
 たぶん、殆どの人が消滅したくないから、ハイブリッドカーに乗り換えるのだろう?

 しかし、アメリカのマジックにより引き起こされた、今回の大不況は、どうも環境問題に対してはプラスだ、しかし、景気対策すると、環境問題に対してはマイナスだ。
 (ちなみに、これは、ベイトソンの「ダブルバインド」の状況だ)
 どちらが、嬉しいのだろう?

 ベストアンサーは明確なのに、それは実行できないということは、どういうことだろう?

 何か、とても重要な「こと」を忘れているような気がするのだ。