110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

宗教の理論(ジョルジュ・バタイユ著)

 本書はちくま学術文庫版(湯浅博雄訳・解説)で読む。

 現代は消費社会だと言われる、そして本書には生産社会と言う言葉がある。
 大量に生産されたものは消費されなければいけない、だから、どこかで、生産社会→消費社会へと転じたのだろう。
 しかし、それが解決策ならば、私たちは(変な言い回しだが)幸せでないといけないのではないか?
 でも、感覚的に、私は幸せでない・・・本書にもあるように、死ぬときに落ち着くものであろうか(否や?)。
 それは、どこが違うのだろう、たぶん消費はバタイユの言うところの「蕩尽」ではないのだろうか。
 消費はあくまで、人間のルールでの循環でしかないのではないか。

 それでは、それを一歩進めて、本来の自然に還元すること(=蕩尽)は可能なのだろうか?

 ここまでくると、もうできない様にも思う(直感だが)。
 そこで、新しい人類の誕生を夢見ることにしよう、もちろん、私の死後の話だ。

 宗教は、その社会的な必然性から生まれてくるものだとすれば、明治以後の日本は、その必然性を抑圧した形とも言える。
 その因果については、迂闊には断言できないが、もし、そういう関連があるのならば、日本は、今まで歪(いびつ)な発展をしたことになる。
 これは、いかがなものだろうか?
 
 そんなことを考えてしまう。