人形劇にいのち捧げて(土方浩平著)
本書が、学術文庫の範疇に入るものかどうかは怪しいところだが、作品の内容としてはとても素晴らしい。
著作にはいくつかの種類があるのだが、本書は、著者が一度しか書くことのできない貴重な作品である、それは、著者の人生を綴ったものだからだ。
著作にはいくつかの種類があるのだが、本書は、著者が一度しか書くことのできない貴重な作品である、それは、著者の人生を綴ったものだからだ。
ちなみに、土方浩平という人を検索するとこのような内容が出てきた。
相当な年齢差のある奥様がいるのだが、こちらの消息が気になったところ、とあるブログにこんな記載があった。
土方浩平氏の主宰したおんどり座は立石町(廃屋)にある。土方氏は1981年に永眠したが、子どもたちに夢や希望を与えた功績が評価されて、第5回吉川英治文化賞を受ける。氏の功績を継承したのが妻の玲子氏、いま、岡谷市長地に在住している。女史曰わく、市販品の頭は作り手の命が吹き込まれない。子ども達の夢空間を壊さないために、素朴な頭を作り続けたいという。小学生時代、岡谷市公民館で人形の作り方を土方浩平氏に手ほどきを受け、そのとき作った頭が結婚したあとも手元にあったが、転居したときどこへやったか今はない。女史に御願いして頭の作り方を教わり作りたい。
少なくとも2009年までは健在であったようだ。 長野県で、たった2名の人形劇団を死ぬまで運営していた著者の人生をなぞることは、残念ながら、現在の人には望むべくもないことだろう。
この意見は、明らかに懐古主義であり、過去の礼賛だが、この著者が生活できた良い国(日本)はもう無いのだ。
この意見は、明らかに懐古主義であり、過去の礼賛だが、この著者が生活できた良い国(日本)はもう無いのだ。