110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

保守の真髄(西部邁著)

 本書は講談社現代新書版。

 Y!で訃報に触れて、コメントを読むとそこに本書のことがあった。
 本ブログ氏の訃報を取り上げたので、なにかしらの義理を感じて早速読んでみた。
 (当日、AMAZONで調べると品切れ、今日見ると、現在の注文で2月の入荷とのことだった。しかし、本屋を探せば見つかるかもしれないよ、現に私は近くの本屋で見つけた。労を惜しんではいけないよね)

 これは公開された遺書なのかもしれない。
 核武装については、腑抜けと言われようと私は反対だけれども、全体に言おうとしていることは、共感できるところが多い。
 私にとっては、最後の数ページで十分だ。

 「・・・我が日本だけが、人間の命だけが大切と言い募って他の動物の命をグルメを自称しつつ大量に食し、そしておのれら過剰長寿者とみなされて致し方ない、ほとんど単なる生命体と化した、存在の死滅の姿を病院に隠して、いささかも恥じ入るところがない。」(実はこの引用したところは多少編集した、元は、不思議な体裁の文章だ、何か意味があるのだろうか?)

 山本夏彦も既に亡くなってかなり時間が経つが、同じような感慨をもっていたように思う。

 生死と2つは対になっている。
 少子化対策だけを行っても手詰まりになる、何十年後には高齢化と死がやってくる。
 全ての高齢者を満足はさせられないだろうが、死ぬ方も出来る限り充実させれば、自然と子供は増えるだろう。
 それは、医療費や年金といった、単純に金だけの問題ではないのだけれどもね。