110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

セクハラ問題の奇怪さ

 報道関連では、ある時は財務省、ある時は政治家(例えば麻生財務相)、そして、本人の顔写真実名入りの批判)で何か批判しているようだ。
 その報道を読んで毎回奇異に思うことがある、被害者の姿が見えないのだ、そして、ある記事にも載っているのだが、外部に被害者がいるセクハラ問題での処分は「知る限り初めて。マニュアルがなく難しい」(伊藤豊秘書課長)という正論について意図的に無視しているようにも思える。
 テレ朝側も、この女性社員の要請で福田氏に会わないようにするという措置ができたはずであり、例えば、そういう措置を振り切ってまで、福田氏が彼女を呼んだということがあるのかないのか、当問題は、財務省、福田氏だけに焦点を当てていても全貌はわからないはずなのに、一方的に非難され続けている。
 こんな対応もこの問題を増長しているのは、(以下、産経新聞の記事抜粋)
 財務省は16日、被害を受けた女性記者に対し、記者クラブ加盟社を通じて調査への協力を呼びかけたが、「国民の感覚としてずれている」(橋本聖子参院議員会長)などと与党内からも異論が噴出。(ここまで)

 国民の一人としては、セクハラは悪いことだと思うけれども、例えば、行為に及んだというような更にひどい状況が考えられる中で、国民感情なんていう言葉を出るのならば、そもそも、法治国家だとか、個人の人格や人権の尊重(この場合は、被害者にも加害者にもある)の公然とした無視が伺える。
 私は男性なので「わかっていない」と非難を受けることで書かせてもらえば、この事件にかこつけて(普遍的)セクハラ一般論の責任を福田氏に押し付けているように見える。
 
 セクハラについては、海外では数十億円の損害賠償例があるようだけれども、国内では、上限が数百万円程度の慰謝料という判例のようだ。
 彼の、退職金からの減額(たしか140万円)もそういう観点からすれば、それほど、大きな誤差ではないと思うし、彼が、辞めることで失う給料(それは、再就職することで埋められるであろうが)は、順当に定年まで勤めた分がとりあえず無くなるのだから、相当な金額の減少と言えるだろう。

 それが、パーセント計算して少ないなんていうのを、さる議員さんが答弁したりしているが、何て言うのか本人は数字を挙げて得々としているのだが、その根拠が全然わからないのだ。
 
 この国民感情は、福田氏の退職金が主観的に高額だということにあるのだろうね。
 私もはっきり言えば、うらやましいくらいの金額だと思うよ、でも、国政で財務を預かる部門のトップだからね、仕事の質を考えれば妥当と思わざるを得ないね。
 しかも、これも規定されていることだからね。

 この事件が起きた当初のブログに書いたけれども、マスコミのパワハラについてもここできちんとして欲しいね、下手な報道で、例えば、倒産した店とか会社を辞めなければならなくなった人とか、たくさんいるだろうにね。
 上でも、ほのめかしたけれども、テレ朝が彼女にきちんと対応していれば、セクハラ問題も起こらなかっただろうしね。

 だから、マッカーシズムという、たとえ話を以前にも上げたけれども、先ほどの橋本聖子さんのいうところの「国民感情」というのが、理性的でなくなったことを表しているのだろうね、政治家はその国民感情に扇動されて動いている気がするね。
 
 ただし、福田氏の個人の立場として、事実と違う部分があるから争うという権利は現前として保持されねばならないし、それが客観的な裁判で判決が出るまでは本来安易な評価をするべきではない。
 政治がもしくは政治家が、国民感情なんていうあえて言えば「怨念(どうも、福田氏への羨みが根拠のようだ)」に動かされているようだが、政治やマスコミ報道が個人の権利を蹂躙することはできない。
 彼の権利についてほんの少しでも注釈をつける記事もない。
 変だよね、そう思わないかい、盗人にも裁判を受ける権利があるのだよね、これじゃ民間法廷だ。
 2回目だけれども、我が国は法治国家だよ。
 
 私は、最後の一人になっても、彼の権利と報道の異常性については書きたいね。
 多分、ご本人に会ったらお友達にはならないだろうけれども(余りに切れるひとだろうから)

 これはセクハラ事件をもとにした逆パワハラ、しかも、国民の少なくない人々が政治家やマスコミ報道に扇動され加担。
 (万引きしたら国民感情により無期懲役みたいなね)
 はっきりいえば、和解金数百万円の事件に、これだけの時間や手間を掛けて、国会の運営を阻害して、失ったものは計り知れない。
 まぁ、マスコミ関係はこの報道で視聴率を得たのかもしれないね、それなら、そのギャラを福田氏に支払わないとね。