110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

時代の変遷

2019年防衛大卒業式で大量の任官拒否が出た理由
3/30(土) 8:03配信 FRIDAY
卒業生の約1割が自衛隊に入らず民間へ この責任は誰が負うべきか
制服に学帽姿で、記念撮影をする若者たち。卒業証書を片手に、スマホで自撮りをする女子学生の姿もある。バラバラと正門前に現れ、保護者と挨拶を交わしてキャンパスに戻っていった彼らの顔は、一様に晴れやかだった――。
3月17日、神奈川県横須賀市にある防衛大学校で卒業式が開かれた。安倍晋三首相(64)による訓示の後、学帽を一斉に宙に投げて卒業生が退出するという例年通りの式となったが、実はその裏で、今年の防衛大には前代未聞の“異常事態“が発生していた。
49人――。478人の卒業生のうち1割を超える学生が、任官拒否をしていたのだ。任官拒否とは文字通り、防衛大を卒業しても自衛官にはならないこと。過去、最多の任官拒否者が出たのは、バブル景気と湾岸戦争を巡る自衛隊派遣議論が重なった’91年の94人だが、49人はそれ以降で最多の数字である。
冒頭の場面は、17日の卒業式ではなく、その前日の16日。任官拒否者は卒業式本番への出席を許されていないため、前日に卒業証書授与と簡単な式を行ったのだという。
「例年、任官拒否者に対しては、卒業証書授与だけの状態が続いていたと聞いています。今年になって急に式を開いたのは、学内でのイジメ問題が取り沙汰されている状況を鑑みて、イメージアップを図ったのかもしれません」(防衛大関係者)
言わずもがな、防衛大は自衛隊の幹部候補生を養成する機関である。学生は学費免除であるだけでなく、約11万円の月給とボーナスも年2回(約38万円)、税金から支給される。
「それだけに、防衛大からすれば任官拒否は大きな痛手です。任官拒否を表明した49人には、防衛大の教授らが必死になって翻意させようと説得に当たった。外部から識者まで呼んで、世間がいかに厳しいかを説いたみたいです。しかし、彼らの決意は固かった」(同前)
任官拒否の理由は、「民間企業へ行きたいから」「自衛隊には向いていないと思った」などだったという。だが、彼らがそう考えるに至ったのは、こんな社会的な背景があるのかもしれない。政治アナリストの伊藤惇夫氏が語る。
「安倍政権への不安があるのは間違いありません。今年の卒業生は、’15年に安倍首相が強引に安保法案を成立させた過程を見てきた世代。『当事者』として、危険地域へと派遣される可能性と直面し、熟慮の末、任官拒否という道を選んだのでしょう」
あんな最高指揮官のもとでは働けない――。現政権が続けば、任官拒否者はますます増えそうだ。
 日本人とか、日本の社会観念がここのところ明らかに変化していることは間違いないようだ。
 ただし、本記事には1991年に更に多くの任官拒否者があったこともわかる。
 今年の傾向は何だろう、やはり少子化による新卒者の売り手市場によるところも大きいのではないか?
 また、本政権の批判のような文章もあるが、それよりも、違法でなければ良いという最近の風潮が反映されているのではないだろうか?
 昔風の恩義みたいなものは消滅した。
 旧世代としてはとても息苦しい世の中になっているのだろう。
 でもその責任は現在の社会、すなわち大人たちの側に、なにがしかのものがあるのではないか。