110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

過去の栄光を夢見る

「訪日韓国人は日本の生活水準低いと感じる」佐藤優氏の解説
5/22(水) 7:00配信 NEWS ポストセブン
 ミサイル実験を再開するなど、北朝鮮が先鋭化の兆しを見せている。東アジアの安全保障を考える上で韓国との協力体制は必要だが、日韓の対立には、終わりが見えない。作家・佐藤優氏が語る。
「韓国の影響力が強まった背景には、経済成長があります。1980年の時点で、名目GDPが約1兆1000億ドルの日本に対し、韓国は約650億ドル。17倍近くも離れていました。それがいまや、日本が約5兆7000億ドルで、韓国が約1兆6500億ドルと3倍ちょっとの差しかない。
 しかも韓国は日本の半分以下の人口5100万人。1人あたりのGDPで、日本は約4万ドル、韓国が3万ドル。これに購買力平価をくわえて考えると生活水準はさして変わらない。
 インバウンドで来日した裕福な韓国人は、皮膚感覚として日本の生活水準を低いと感じている。その結果、韓国が経済的に弱かった時期に結ばれた日韓基本条約や日韓請求権協定が不当な条約に見えてきている。だから反日感情が高まっているんです」
 2018年末、韓国海軍の駆逐艦自衛隊の哨戒機にレーダー照射する事件が起こり、2019年2月には韓国国会議長による天皇(現上皇)への謝罪要求発言があった。そのたびに日本では、「韓国はとんでもない国だ」といった議論が起こった。しかし、従来の力関係をベースに隣国と接しているばかりでは、何も解決できないと佐藤氏は説く。
「最終的には外交は、国力と国力の均衡点が落としどころになる。韓国に対して、優位でいたいなら国力を上げていくしかない」
佐藤優片山杜秀著『平成史』(小学館文庫)を再構成。同書の刊行記念イベント「令和時代を生き抜くために」が6月24日に紀伊國屋ホールにて行われる。詳細はhttps://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20190424103000.html

 この記事に対して、一生懸命、日本は悪くない、韓国は嫌な国というコメントが並ぶのだが、確かに現在韓国は危機に陥っているようだ、しかし、GDPの差が示すように、日韓の比率は接近している。
 以前は、姿さえ見えない国が、おぼろげながら見えてきたということだろうか?
 また、韓国は戦後何回も経済的な危機を体験している、当然それは(韓)国民にとって良い事ではないのだが、その経験は国の地力として評価することはできるだろう。
 それに対して、戦後、バブル崩壊以後低迷したが「破綻」したことがないわが国の方が、例えば財政的に破綻すれば、その恐慌は想像を絶すると思う。
 現在フランスに在住している、ひろゆき氏は、日本の物価が安いので(日本に)買い物に来ることがあると発言している。
 安くて、良いものが、国内にあるので、とても良い国でもあると私も思うのだが、高価な買い物はしなくなった。
 多分、一部の富裕層の特権となっているのではないのかな?

 そういう海外からの目で見ると、日本は生活水準が下がっているのではないか?という印象は韓国だけでなく共通しているのではないのか?
 それには、このところの円安政策の影響もあるのではないかな(輸出企業は為替のおかげで黙っていても利益が出るという説もある)?
 景気の指標は良かったけれども、給料などの待遇が実感できないということも、国内の状況だけを見ても良くわからないところが、海外という視点からすれば見えてくるかもしれないね?
 
 これは話の脱線だが、追いつく側としての日本、すなわち高度経済成長期(当時)に、例えばイギリスやフランスなどに行った人は、先進国と言われたそれらの国がどう見えたのかな?
 翻って、現在、アジアの経済は成長しているし、その成長力を日本も利用している。
 しかし、それは、それらの国に追いつかれていることでもあるわけだ。

 いたずらなナショナリズムには陥らず、現状を見つめることも必要なのかもしれないと思った。