110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

フーコ-・ガイドブック(ミシェル・フーコー著?)

 ちくま学芸文庫から「フーコー・コレクション」が発刊されているが、それの導入編ということで編集されたのがこの本。
 フーコーの著作をこれから読んでいこうとしているのだが、彼が死亡したのが、1984年であり、既に23年が経過している。しかし、自分としては、今「発見」したのだ、既に、同時代に著作物を読んでいる人には「何を今更」というお叱りを受ける事だろう。
 彼のテーマは、このコレクションの表題にある「狂気・理性・文学・侵犯・言説・表象・権力・監禁・性・真理・生政治・統治」となる。彼の権力や統治への興味は、生前の政治的活動によるところも大きかったのではないだろうか?
 私としては、最晩年の「自己の配慮」に一番興味を持ったが、結論が出ずに終わってしまった。ここでは、古代ローマ帝国時代のストア派や(古代)キリスト教までさかのぼる。たとえば、プラトンなどを読むと、思考は一挙に数千年を越えるのだが、何故だか昨日の事が書いてある様に「錯覚」する時がある。真に面白い事だと思う。