110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

哲学堂(その2)

前回の続きです。

①百科叢
時空岡に対してこの林叢をこう名付けたものである。
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②無盡藏
階上を向上樓、階下を萬象庫と名付け、井上博士が内外周遊の折の記念物を陳列していた。
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③筆塚
字かきて 恥をかくのも今暫し 哲学堂の出来上がるまで
哲学堂は井上圓了博士が全国巡遊中求められて各所で揮毫した際の謝礼を基金として開設されたのであるが、その謝意を含め、かつ、その筆供養のための記念碑として造られたのがこの筆塚である。
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④懐疑巷
是より先方に進めば唯物園に至り、後方にくだれば唯心庭に達すべき辻で、「往こうか唯物、返ろうか唯心、此処が思案の懐疑巷」ともいうべきところである。
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⑤經驗坂
唯物園に達する道であって、階段は、経験を表し、唯物論の立論には理化博物等の実験をその考証とすることによるものであるとしてこの名がある。
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⑥感覺巒
經驗坂の中途に在り、経験のためには耳目等の感覚によらねばならないことを示している。
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⑦唯物園
唯物的寓意をもつこのあたり一帯をいい、下流河畔の唯心庭とともに哲学的名勝の一つである。
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⑧二元衢
唯物園と唯心庭に岐路で二元もまた物心二者対立の名称である。
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⑨意識驛
丘上に達した観覚者は、ここでひと休みして認識路と直覺徑を観ながら種々想念されたい。
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⑩認識路
もし、丘上の論理域に至らんとするのに、直覺徑をさけて、よく事物を知覚し推理して、おちついて登らんとするならば、この路を選べばよい。
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⑪演繹觀(傘型亭)
論理に達する参観者は、ここで小憩してよろしく内省し、よく道理にあてはめて断定するようにされたい。
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⑫概念橋
理性(島)に達する道程には概念(橋)が存するとしてこの名をつけた。
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⑬唯心庭
唯物園に対する小庭で、唯心論的呼称をもつ諸部分が見られる。
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⑭鬼燈
唯物園の狸燈に対した燈籠で、人の心中に宿る鬼にも良心の光明は存することを寓している
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⑮先天泉
我々の心の深奥には時に教育や経験を超越した高妙尊厳の消息に接することがあるのを、この天然泉に喩えている。
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これで、全てではありません、全部で77箇所もあります。
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興味のある方は、実際にいらっしゃっても良いと思います。
ただし、普段は、殺風景な「普通の公園」なので、景色を楽しめる桜の咲くころが良いと思います。