110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

学術会議問題のその先のことを議論した方が良い

中国「千人計画」に参加する日本人研究者 “働けるなら日本で…”の本音
10/21(水) 16:59配信 デイリー新潮

「中国へ行くしかなかった」
 世界中の科学技術を盗もうとする中国の「千人計画」の全容と、そこに参加した日本人研究者へのインタビューを「週刊新潮」10月22日号で報じた。なぜ彼らは計画への参加を決めたのか。取材を続けると、背景に日本の研究環境の“現実”が見えてきた。
「自分を含めて中国に来た若手の研究者は、働けるなら日本にいたいというのが本音です。給料や研究費が高いから中国に行くのではなく、日本に研究者としてのポストがない。だから中国へ行くしかなかったのです」
 中国トップ10に入る最難関大のひとつである浙江大学で、サルなど霊長類の遺伝子を研究する高畑亨教授(43)。給与は日本の国公立大の准教授クラス(平均年収700万円前後)だというが、研究費や“ボーナス”は潤沢に用意されている。
「5年前に浙江省の『千人計画』に選出された際に1500万円が支給され、5年分の研究室の運営費として5000万円を支給されました。『ネイチャー』や『サイエンス』に論文が掲載されたら、1500万円くらいのボーナスが出る」
 実際、日本と中国では科学技術の予算に大きな差がある。20年前は共に約3兆千億円前後と拮抗していたが、2016年度の時点で中国の予算は22兆3988億円と大きく飛躍し、日本の6倍以上となっている。

ノーベル賞大隅良典教授の見解は
「中国はいま、ほとんどノーベル賞の受賞者がいませんが、これから先は基礎科学の分野においても、どんどん出てくると思います。あと10年もしたら、目に見えて結果が出てくるんじゃないですか」
 と懸念を示すのは、16年にオートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した、東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏(75)。日本の研究環境にはこう警鐘を鳴らす。
「日本は財務省の役人に分かってもらえるような研究なら何とか予算がつく状況。今の日本のやり方は、研究にお金を出したらその分の見返りがなくてはいけないというもので、これでは絶対に上手くいかないと思います。このままいけば、日本で活躍の場がないからという理由で、基礎科学者が中国に流出することが、今以上に増えていくと思います」
 10月22日発売の「週刊新潮」では、千人計画に参加した多くの日本人研究者の声とともに、図らずも露呈した我が国の研究環境の惨状を詳報する。
週刊新潮」2020年10月29日号 掲載

奇しくも、本ブログで問題にしたことが、記事になった。

人も減る、だから、人的資源が減っていくのだから、学者を優遇していかないと、特に、20世紀の製造業を主体とした繁栄から、21世紀には、サービス業主体に圧倒的に転化した日本は、知恵を出せる可能性のある人に賭ける、姿勢が必要なのではないか?

以前、読書記録として残した「科学者として生き残る方法(日経BP社)」にも、10年以上前から科学者を優遇していたことが書かれていると、指摘した。

科学者として生き残る方法(フェデリコ・ロージ/テューダー・ジョンストン著) - 110円の知性

 思想がどうだ、中国に加担している、法律的には適正だ、などと言っているうちに、衰退していく方が問題ではないのか?