110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

12月に読んだ本

 今までは、ブログに紹介できなかった、特に思想系の本をまとめて紹介していたのですが、今月は、個人的にひとつの目標を持って読書をしていたので、ここに、今月の読書を全て掲載します。

(1)うるさい日本の私 中島義道著 新潮文庫
(2)簡素な生活 シャルル・ヴァグネル著 講談社学術文庫
(3)カオスモスの運動 丸山圭三郎著 講談社学術文庫
(4)ヘーゲルそしてマルクス 廣松渉著 青土社
(5)現象学の思想 木田元著 ちくま学芸文庫
(6)性家族の誕生 川村邦光著 ちくま学芸文庫
(7)風土 和辻哲郎著 岩波文庫
(8)現代日本の感覚と思想 見田宗介著 講談社学術文庫
(9)治療文化論 中井久夫著 岩波現代文庫
(10)四千万歩の男(一) 井上ひさし著 講談社文庫
(11)心と他者 野矢茂樹著 勁草書房
(12)宗教は国家を超えられるか 阿満利麿著 ちくま学芸文庫
(13)現代思想の展開 今村仁司著 講談社学術文庫
(14)「心-身」の問題 山本信・井上忠・黒田亘・廣松渉大森荘蔵著 産業図書
(15)探究1 柄谷行人著 講談社学術文庫
(16)最終講義 木田元著 作品社
(17)あいだ 木村敏著 弘文堂
(18)精神の生態学(上) G.ベイトソン著 思索社
(19)テスト氏・未完の物語 ヴァレリー著 現代思潮社 古典文庫
(20)ハイデルベルク 生松敬三著 講談社学術文庫
(21)江戸人の生と死 立川昭二著 ちくま学芸文庫
(22)社会心理学入門(上) 我妻洋著  講談社学術文庫
(23)天地有情の哲学 伊藤勝彦著 ちくま学芸文庫
(24)精神の生態学(下) G.ベイトソン 思索社
(25)知の構築とその呪縛 大森荘蔵著 ちくま学芸文庫
(26)混沌からの表現 山崎正和著 ちくま学芸文庫
(27)ウィトゲンシュタイン論理哲学論考』を読む 野矢茂樹著 哲学書
(28)ロラン・バルト映画論集 ロラン・バルト著 ちくま学芸文庫
(29)バルトーク晩年の悲劇 アガサ・ファセット著 みすず書房
(30)ニヒリズム 渡辺二郎著 東京大学出版会
(31)現象学の視線 鷲田清一著 講談社学術文庫
(32)マダム・エドワルダ/目玉の話 ジョルジュ・バタイユ著 光文社 古典新訳文庫

 なんと、多分生まれて初めて「一日一冊」をクリアしました。比較的薄くて読むのに苦労しない本もありますが、1冊で600ページを超える本(10)もあり、また、小説もあれば、思想・哲学系もあり、なかなか、感慨深い読書月刊となりました(「読書の冬」)。
 千本ノックとまでは行きませんが、私にとっては、これくらい詰めこんで読むと、思想系の本も少し読みやすく感じるようになりました(また、来年は戻るかもしれないですが)。
 印象に残っているのは、やはりベイトソンの(18)(24)で、勢いで「精神と自然」も入手しました。また、今月は、野矢茂樹氏の本を何冊か(11)(27)読ませていただき、なかなか楽しかったです、思想系の人としては一般に人気のある人ではないでしょうか。また、渡辺二郎氏(30)は、「こんな本があって良いの?」という題名ですし、そういう講義なのですが、逆に、思想系の人は、一度ははまるこの内容に迫ることができるので、貴重な著作だと思います、現在では出版しにくいタイプの本ではないでしょうか(初版1975年で1983年第7刷を読みました)。鷲田氏の著作ははじめて読みました、これは収穫でした。柄谷行人氏(15)はいつもながら鋭い切り口です「探究2」も、はやく読みたいのですがなかなか読む時間がないのです。そして今村仁司氏は最近ひいきです、この人の著作を読んで、アルチュセールジラールに興味を持ちました、柄谷、今村、廣松等マルクスの影響下にある思想家は多いのですがですが、いわゆるイデオロギーとしてのマルクスという観点よりも哲学思想として、マルクスを「今」読むということは必要かもしれないと思いました(どちらかというとアルチュセールかもしれないが)。

 あー、肩の荷が降りた。